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近畿は活断層が密集している。奈良県から愛媛県まで総延長360キロ、地震規模マグニチュード(M)で最大8.0程度かそれ以上が想定される「中央構造線断層帯」の北側は特に、日本で最も活断層が多い地域の一つとされる。
【特集】足元の活断層 災害大国迫る危機近畿周辺は太平洋プレート(岩板)とフィリピン海プレートが陸側のプレートの下に潜り込むことで東西から強く圧迫を受けている。活断層が多いのは、その力で押されて硬い岩が割れてずれ動くためだ。
上下にずれる断層は、片側が隆起し、もう一方が沈降する。地震のたびにこれを繰り返し、長い期間をかけて山地と平野を造る。
「近畿の地形は起伏に富んでいて美しいが、それは活断層が多いことの裏返しです」。産業技術総合研究所客員研究員の寒川旭さんは話す。遺跡や史料から過去の地震について調べ、今後に活用する「地震考古学」の提唱者でもある。
活断層が造った平野は水の便がよく水田耕作に向くため、人が集まって住む。平野に恵まれた近畿には都が置かれ、栄えてきた。
その一方で地震とは隣り合わせだった、と寒川さん。歴史上の記録も多い。
最も古いのは日本書紀に登場する416年の記述。「地震」とだけ書かれている。868年に兵庫県で起きた地震(M7.1)、1185年に琵琶湖南西で起きた地震(M7.4)、京阪神地域に大きな被害を与えた1596年の慶長伏見地震(M7.5以上)、約3千人の死者が出た1927年の北丹後地震(M7.3)などがある。
1995年の兵庫県南部地震(阪神大震災、M7.3)は、死者6千人を超える大都市直下の地震だった。動いたのは兵庫県南部から淡路島に走る六甲・淡路島断層帯の一部だった。
国の地震調査研究推進本部が「今後強い揺れが起きる確率が高い」とする断層もほぼ各県に分布。滋賀県の琵琶湖西岸断層帯、奈良盆地東縁断層帯、大阪府の上町断層帯、中央構造線断層帯の和泉山脈南縁・金剛山地東縁、兵庫県から岡山県を走る山崎断層帯があがっている。(角谷陽子)