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千葉県では、鴨川市から南房総市富山町までの「鴨川低地断層帯」(約25キロ)と、市川・船橋両市から千葉市までの「東京湾北縁断層」(約22キロ)が、地震を引き起こす活断層と想定されていた。最新の調査で活断層とは確認できないとされたが、専門家は「地震が起きないとは言い切れない」としている。
県は、地形的な痕跡として地表に現れている断層の特性を把握しようと、1997年度に東京湾北縁断層を、1998〜2000年度に鴨川低地断層帯を調査した。
東京湾北縁断層は地下2千メートル〜2500メートルの地下構造まで判明。国の地震調査研究推進本部は00年、活断層ではないと判断した。
鴨川低地断層帯は複数の断層で構成されている。活断層だった場合はマグニチュード(M)7.2級の地震が起きるとされてきた。だが、空中写真の判読や物理探査、ボーリング調査などを重ねた結果、国は04年に「活断層であるかどうか確実な証拠にとぼしい」と公表。この地形が主に岩質の違いによる浸食で出来たものであると指摘した。
県の地下構造調査でもこれまでに、県内で大きな地震を発生させるような活断層は確認されていない。
活断層に詳しい産業技術総合研究所の吉岡敏和・活断層評価研究チーム長は「千葉県はM7クラスの地震を起こすような活断層は認められず、おそらくないと言える。だが、自然現象なので例外もありうる。必ず起きない、全く起きないと言い切れない」と話す。
産総研のウェブサイトの活断層データベースにはいずれの断層もまだ掲載されている。今後の調査研究で別の新たな見解が出る可能性があることを踏まえ、既存の資料として生かせるよう残しているのだという。
一方で、房総半島に大きな影響を与えそうなのは東京湾の対岸にある神奈川県の「三浦半島断層群」だ。
県は三浦半島断層群の地震による被害想定を08年に調査報告書にまとめた。M6.9で、富津、君津、木更津各市を中心に震度6弱〜6強の地域が広がり、県土の5%にあたる地域で震度6弱以上の地震に見舞われると想定している。
冬の午後6時に起きたと仮定し、約2万5千棟の建物が全半壊。停電約2万世帯、上下水道の断水約11万4千世帯などの被害に加え、死者約90人、負傷者約3千人、避難者約12万1千人などの被害を想定している。(上田学)