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2012年9月1日4時15分

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山梨の被害想定15年前のまま 富士山直下にも活断層か

 山梨県内でも複数の活断層が分布している。県西部を通る大規模な活断層「糸魚川―静岡構造線」や、甲府市南部の「曽根丘陵断層」、県西部から中部にかけて大きな被害が発生するおそれがある「釜無川断層」、東京都と結ぶ交通の要衝にある「藤の木愛川断層」なども確認されている。

 富士山や甲府盆地の地質に詳しい県環境科学研究所の内山高・主任研究員によると、直下型の地震の場合は突き上げるような大きな揺れが起こり、緊急地震速報から避難態勢をとるための余裕もほとんどないという。

 今年5月、東大地震研究所を中心とした文部科学省の研究チームの調査で富士山直下にも活断層がある可能性が指摘された。この活断層で地震が発生した場合、巨大な山崩れ「山体崩壊」が起きる可能性も同時に示された。山崩れの直接的な被害は静岡県側が主とされる。だが、内山氏は「大きな揺れで地殻に変動があった場合は富士山噴火につながる可能性もある」と指摘する。

 一方、県の被害想定は直下型地震については1996年、東海地震は2005年のまま。

 県の想定では、東海地震が冬の午前5時に発生した場合、県内全域で370人が死亡、6千人以上の重軽傷者が出るとしている。

 これに対し、内陸の活断層地震では、平日午後6時という想定で、「首都直下地震」(南関東直下プレート境界地震)の場合は101人、釜無川断層地震では2425人、藤の木愛川断層地震では1828人がそれぞれ死亡すると予測されている。

 ただ、東日本大震災以降の防災意識の高まりや、県内の住宅耐震化率が11年度末時点で78.9%(推計値)と6年前より6.6ポイント向上しているなど、状況は大きく変わっていることも考えられる。

 昨年末に県の地域防災計画が改められたが、「地震編」は過去の被害想定に基づいている。山梨大の鈴木猛康教授(地震工学)は「東日本大震災を受けてのものだが、根本的な県の態勢の見直しまでには至っていない」と指摘。「内陸活断層地震は首都直下地震と同様、県内のどこでもマグニチュード7規模の地震が起きる可能性があると想定し、対策を考えるべきだ」と話す。(菊地雅敏)

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