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2012年8月31日20時50分
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警戒外活断層、M6以上14地震 進まぬ地中の実態把握

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図:阪神大震災後に活断層が起こした可能性のあるマグニチュード6以上の主な地震拡大阪神大震災後に活断層が起こした可能性のあるマグニチュード6以上の主な地震

 阪神大震災後の17年間で、活断層が起こした可能性のあるマグニチュード(M)6以上の主な地震14回は、いずれも国が警戒を促す約100の主要な活断層帯以外で起きていた。国の地震調査研究推進本部(地震本部)などに朝日新聞が取材し、まとめた。地中に潜む断層の実態把握は難しく、地震本部による洗い直しの作業は遅れている。

【特集】足元の活断層 災害大国迫る危機

 14地震は、1997年3月の鹿児島県北西部(M6.6)▽2000年10月の鳥取県西部(M7.3)▽04年10月の新潟県中越(M6.8)――などのほか、05年3月の福岡沖(M7.0)▽07年3月の能登半島(M6.9)――といった陸側の断層帯が続く海域で起きた=図参照。

 活断層は地中の浅い所で地震を起こすため、都市の真下で大きく動くと甚大な被害につながる。国は95年1月の阪神大震災(M7.3)の危険性を指摘できなかったことを踏まえ、旧総理府に地震本部(01年からは文部科学省に移管)を設置。M7級の地震を起こす恐れがある長さ20キロ以上の活断層で、地表にできた隆起などから目で確認できるものを中心に主要活断層帯と位置づけてきた。

 しかし、14地震はいずれも発生時点で主要活断層帯からはずれていた。08年6月の岩手・宮城内陸地震(M7.2)では、発生してから地中に長さ30キロを超える断層があることが判明。福岡沖地震は、確認されていなかった警固(けご)断層帯の延長部分で起きていた。

 活断層の長さが長いほど地震の規模は大きいが、地下部分は目視できず、確認が進んでいない。経済産業省所管の産業技術総合研究所などが98の活断層を調べたところ、地下のほうが地表より平均2倍長く、20キロを超えるものもあった。このうち95は地震本部の主要活断層帯に入っていない。

 地震本部は「約10年で見直す」として、10年度から長さ10キロほどの活断層についても調査しているが、最初に取りかかった九州地域の調査がまだ終わっていない。(小坪遊)

     ◇

 〈活断層〉 比較的新しい時代に繰り返しずれ、将来もその可能性があるとされる断層。数百〜数万年間隔で地震を起こし、地表に段差となって現れることもある。都市や原発の真下で起きた場合、被害が深刻になる。日本列島には多数の活断層があり、1995年に阪神大震災、2004年に新潟県中越地震を引き起こした。東日本大震災や発生が懸念される南海トラフ巨大地震は、海側のプレート(岩板)が陸側のプレートにもぐり込む場所で起きる海溝型地震。

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