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日本列島を東西に分ける新潟県から静岡県にかけてのラインは、国内でも危険度が高い活断層系が延びる。
特に長いのは、糸魚川―静岡構造線(約150キロ)に沿って分布する活断層系だ。約1200年前、長野県白馬村から山梨県北杜市小淵沢町までの範囲が活動した。地震の規模はマグニチュード(M)8程度だった可能性が高い。
この活断層系は、長野県大町市などの「北部」、同県諏訪市周辺の「中部」、山梨県内の「南部」に大別される。このうち、中部に含まれる「牛伏寺(ごふくじ)断層」(松本市と塩尻市付近)は、約千年おきにM8程度の地震が発生してきたとみられている。
政府の地震調査研究推進本部(地震本部)による長期評価では、牛伏寺断層で30年以内に地震が発生する確率は「14%」。3%以上が「高い」とされるだけに、危険度は国内の活断層の中でも最高クラスだ。地震本部は、昨年の東日本大震災による地殻変動で、将来の発生確率が高まる恐れがあるとの見方を示している。
長野県がまとめた被害想定によると、北部で地震が発生した場合、同県内は最大震度7の揺れに襲われる。死者は、冬の夜に発生した場合では県内約3500人に及ぶ。中部で地震が発生した場合は、同じく冬の夜だと約2800人が死亡するという。
山梨県による被害想定では、南部で地震が発生すれば同県の西部から中央部にかけて被害が広がり、死者は甲府市や韮崎市、南アルプス市などで700人余りに達するとみる。
このほか、M8程度の地震が想定されるのが、静岡県の富士川河口から富士山南麓(なんろく)にかけて南北約26キロに延びる「富士川河口断層帯」だ。
ここで発生する地震は従来、内陸型とみられていた。しかし、地震本部は2010年、東海地震と連動する場合があるとの見解を示した。30年以内の発生確率が88%とされる東海地震と同時に発生する確率は、やはり「10〜18%」と高い。
M8級の地震が発生すると最大震度7クラスの激しい揺れがあり、この断層帯に沿って地表では1〜2メートル、場合によっては10メートルの段差が生じると想定される。断層の上には、東名高速や新東名、東海道新幹線が走り、東西交通に大きな影響が出る恐れがある。
このほか、地震の発生確率が「高い」グループには、新潟県の上越地方にある「高田平野断層帯」が入る。「西縁帯(30キロ)」と「東縁帯(26キロ)」の二つが南北に延びる。
一方、発生確率は「2%以下」ながら、M8級の地震が発生すると想定されるのが、「長岡平野西縁断層帯」だ。新潟市の沖合から小千谷市にかけて南北約83キロに延びている。(大久保泰)