現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. 足元の活断層
  3. 記事
2012年8月31日21時10分

印刷用画面を開く

mixiチェック

このエントリーをはてなブックマークに追加

東北6県、都市の足元に脅威

 東北地方は、青森県から宮城、福島県にかけての太平洋岸で、沖合で起きた巨大地震と津波による被害をたびたび受けてきた。一方で、各県の都市部周辺では活断層が確認されており、こちらへの注意も必要だ。

■新幹線・東北道沿いに 宮城

 宮城県では利府町から仙台市中心部、村田町にかけて長町―利府線断層帯が延びている。仙台市以北では東北新幹線、以南では東北自動車道に沿うような位置だ。断層帯全体が動くと、マグニチュード(M)7.0〜7.5の地震になると想定されているが、最近の活動の時期や周期はよくわかっていない。宮城県は、発生すれば仙台市中心部の青葉区や泉区で震度6強、1万5千戸が全壊すると予想している。

 しかし、より差し迫った危険性があるとして注視されていたのが、海側のプレート境界で約40年の周期で起きていた「宮城県沖地震」だ。複数の海域が連動した場合にはM8前後の地震となるうえ、「今後30年以内に99%の確率で起こる」と警戒されていたところに昨年3月、M9の東日本大震災が発生した。

■60キロ断層帯でM7.8も 山形

 山形県では、県内の主要都市の周辺で多くの活断層が見つかっている。山形盆地、新庄盆地、長井盆地西縁、庄内平野東縁の各断層帯などだ。

 山形盆地の西側に沿うようにして大石田町から寒河江市、山形市、上山市へと約60キロにわたる山形盆地断層帯は南北に分かれるが、全体が同時に動いた場合、想定される規模はM7.8だ。

 新庄市の周辺には新庄盆地断層帯が走り、庄内平野の東側の縁を南北に走る庄内平野東縁断層帯は、最近では1894年に活動したと考えられている。

■明治以降もM7.2発生 秋田

 秋田県も多くの活断層が確認されている。日本海沿岸に能代断層帯や北由利断層、奥羽山脈側には花輪東や横手盆地東縁の両断層帯があり、岩手県境付近にも雫石盆地西縁―真昼山地東縁断層帯がある。

 明治以降だけでも、岩手県境で1896年に陸羽地震(M7.2)、県南部では1914年の秋田仙北地震(強首地震、M7.1)、沿岸付近では1939年の男鹿地震(M6.8)などが発生している。

 能代断層帯が引き起こす地震は、M7.1以上。発生周期は2千〜3千年で、最近では1694年に起きた。そのため、今後30年以内の発生確率はほぼ0%とされている。

■連動ならM7.8の想定も 岩手

 岩手県では、内陸部の矢巾町から旧胆沢町まで長さ約61キロにわたる北上低地西縁断層帯がある。北上川を境に花巻断層帯、出店(でたな)断層帯に分かれる。連動すればM7.8の地震を起こすと推定されているが、発生確率はかなり低いとされている。雫石盆地西縁断層帯は1998年に一部が活動し、M6.1の地震を起こした。津波が発生する危険がある海側では、東日本大震災の以前も、1896年の明治三陸、1933年の昭和三陸の大津波などで甚大な被害を受けている。

■東通原発で調査開始 青森

 青森県には津軽平野東側を南北に走る津軽山地西縁断層帯がある。五所川原市から旧浪岡町までの北部、青森市から旧平賀町にかけての南部に分かれ、それぞれ最大M7.3程度の地震が想定されている。最近の活動は1766年と見られるが、活動間隔はよくわかっていない。すぐ東側には青森湾西岸断層帯もある。

 下北半島には目立った活断層は確認されていないが、東北電力東通原発では7月、敷地内の断層の調査が始まった。東北電は「耐震設計上、考慮が必要な活断層はない」と主張してきたが、専門家から「情報が足りない」との指摘を受けていた。

■大震災後に活動確認 福島

 福島県は、宮城県蔵王町、白石市から続く福島盆地西縁断層帯が、福島市西部へ延びる。活動の周期は8千年で、最近は約2千年前に動いたと見られるため、この30年間での発生確率はほぼ0%となっている。

 喜多方市や会津若松市周辺の会津盆地西縁・東縁断層帯は、西縁断層帯が1611年に動いた可能性があり、今後の発生確率はほぼ0%と見られている。

 福島県には、東日本大震災後、活動が確認された断層がある。福島第一原発の南西50キロ、第二原発の南西40キロにある湯ノ岳断層だ。

 東京電力や国が震災前に福島第一原発の耐震性を評価した際には「動いた痕跡はない」とされていた。だが、昨年4月11日にいわき市などで震度6弱を観測した地震(M7.0)の後、地表にずれが見つかった。

 また、宮城県亘理町から福島県相馬市を経て南相馬市に延び、福島第一、第二両原発に近い双葉断層についても、これまでは地震の発生確率はほぼ0%とされていたが、東電は再評価する方針だ。

PR情報
検索フォーム

おすすめ

地盤対策は自己責任?日本全国で起こりえる災害被害。対策できることはないのか。

堤防は高さだけではない。高さと同様に重要な点が存在する。東日本大震災の津波の経験から、被災者が感じた堤防のあり方を考える。

放射能汚染で最低5年間は住めないという福島県飯館村長泥。悲劇の顛末を丁寧に紡ぐ。

汚染された美しい環境を自力で除染…理不尽さの中で生きる住民たちの姿を追う。

公開されたテレビ会議の映像と音声を基に、事故当事者の実像を再現する。

ほぼすべての町民が安定ヨウ素剤を飲んだ福島県三春町。勇気ある決断、その背景は。

足元の活断層 記事一覧


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

朝日新聞社会部 公式ツイッター