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東北地方は、青森県から宮城、福島県にかけての太平洋岸で、沖合で起きた巨大地震と津波による被害をたびたび受けてきた。一方で、各県の都市部周辺では活断層が確認されており、こちらへの注意も必要だ。
■新幹線・東北道沿いに 宮城
宮城県では利府町から仙台市中心部、村田町にかけて長町―利府線断層帯が延びている。仙台市以北では東北新幹線、以南では東北自動車道に沿うような位置だ。断層帯全体が動くと、マグニチュード(M)7.0〜7.5の地震になると想定されているが、最近の活動の時期や周期はよくわかっていない。宮城県は、発生すれば仙台市中心部の青葉区や泉区で震度6強、1万5千戸が全壊すると予想している。
しかし、より差し迫った危険性があるとして注視されていたのが、海側のプレート境界で約40年の周期で起きていた「宮城県沖地震」だ。複数の海域が連動した場合にはM8前後の地震となるうえ、「今後30年以内に99%の確率で起こる」と警戒されていたところに昨年3月、M9の東日本大震災が発生した。
■60キロ断層帯でM7.8も 山形
山形県では、県内の主要都市の周辺で多くの活断層が見つかっている。山形盆地、新庄盆地、長井盆地西縁、庄内平野東縁の各断層帯などだ。
山形盆地の西側に沿うようにして大石田町から寒河江市、山形市、上山市へと約60キロにわたる山形盆地断層帯は南北に分かれるが、全体が同時に動いた場合、想定される規模はM7.8だ。
新庄市の周辺には新庄盆地断層帯が走り、庄内平野の東側の縁を南北に走る庄内平野東縁断層帯は、最近では1894年に活動したと考えられている。
■明治以降もM7.2発生 秋田
秋田県も多くの活断層が確認されている。日本海沿岸に能代断層帯や北由利断層、奥羽山脈側には花輪東や横手盆地東縁の両断層帯があり、岩手県境付近にも雫石盆地西縁―真昼山地東縁断層帯がある。
明治以降だけでも、岩手県境で1896年に陸羽地震(M7.2)、県南部では1914年の秋田仙北地震(強首地震、M7.1)、沿岸付近では1939年の男鹿地震(M6.8)などが発生している。
能代断層帯が引き起こす地震は、M7.1以上。発生周期は2千〜3千年で、最近では1694年に起きた。そのため、今後30年以内の発生確率はほぼ0%とされている。
■連動ならM7.8の想定も 岩手
岩手県では、内陸部の矢巾町から旧胆沢町まで長さ約61キロにわたる北上低地西縁断層帯がある。北上川を境に花巻断層帯、出店(でたな)断層帯に分かれる。連動すればM7.8の地震を起こすと推定されているが、発生確率はかなり低いとされている。雫石盆地西縁断層帯は1998年に一部が活動し、M6.1の地震を起こした。津波が発生する危険がある海側では、東日本大震災の以前も、1896年の明治三陸、1933年の昭和三陸の大津波などで甚大な被害を受けている。
■東通原発で調査開始 青森
青森県には津軽平野東側を南北に走る津軽山地西縁断層帯がある。五所川原市から旧浪岡町までの北部、青森市から旧平賀町にかけての南部に分かれ、それぞれ最大M7.3程度の地震が想定されている。最近の活動は1766年と見られるが、活動間隔はよくわかっていない。すぐ東側には青森湾西岸断層帯もある。
下北半島には目立った活断層は確認されていないが、東北電力東通原発では7月、敷地内の断層の調査が始まった。東北電は「耐震設計上、考慮が必要な活断層はない」と主張してきたが、専門家から「情報が足りない」との指摘を受けていた。
■大震災後に活動確認 福島
福島県は、宮城県蔵王町、白石市から続く福島盆地西縁断層帯が、福島市西部へ延びる。活動の周期は8千年で、最近は約2千年前に動いたと見られるため、この30年間での発生確率はほぼ0%となっている。
喜多方市や会津若松市周辺の会津盆地西縁・東縁断層帯は、西縁断層帯が1611年に動いた可能性があり、今後の発生確率はほぼ0%と見られている。
福島県には、東日本大震災後、活動が確認された断層がある。福島第一原発の南西50キロ、第二原発の南西40キロにある湯ノ岳断層だ。
東京電力や国が震災前に福島第一原発の耐震性を評価した際には「動いた痕跡はない」とされていた。だが、昨年4月11日にいわき市などで震度6弱を観測した地震(M7.0)の後、地表にずれが見つかった。
また、宮城県亘理町から福島県相馬市を経て南相馬市に延び、福島第一、第二両原発に近い双葉断層についても、これまでは地震の発生確率はほぼ0%とされていたが、東電は再評価する方針だ。