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2012年9月1日4時9分

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山形県、付近の施設把握せず 課題多い減災対策

表:四つの活断層による大規模な地震で想定される被害四つの活断層による大規模な地震で想定される被害

 国が長期的に観察を続けている県内の活断層は「山形盆地」「長井盆地西縁」「新庄盆地」「庄内平野東縁」の四つで、将来的に地震が起きる可能性が高いものもある。しかし県は活断層上にどんな施設があるのか把握しておらず、減災への対策には課題が多い。

 地震発生の可能性が「高い」と国が分類しているのは、大石田町〜寒河江市の山形盆地断層帯北部(30年以内の発生確率0.003〜8%)、新庄市〜舟形町の新庄盆地断層帯東部(同5%以下)、庄内町〜鶴岡市の庄内平野東縁断層帯南部(同ほぼ0〜6%)の3地域。山形大の山野井徹名誉教授(地質学)は「備えとして、活断層の近くにどんな施設があるのか把握する必要がある」と話す。

 県は活断層による地震の被害想定などはしてきたものの、活断層付近にどんな施設があるかは把握していない。地域の防災拠点になる学校についても活断層の近くかどうか確認しておらず、県教育庁総務課は「学校の耐震化が地震対策の柱だったため」と説明する。

 県内の自治体には独自に活断層付近の施設を把握する動きもあるが、一部に限られており、同課は「活断層近くの危険性が高いことは間違いない。今後は防災の関係部署と意見交換するなど、対策の検討が必要だと思う」としている。

 一方、減災のためには、地域住民でつくる自主防災組織の整備も有効だ。

 県のまとめでは、県内の自主防災組織への加入世帯の割合は76%(4月現在)で全国平均とほぼ同水準。だが役員の高齢化などで休眠状態のものも多い。

 こうした実態も踏まえ、復旧支援や防災教育を手がける天童市のNPO法人ディー・コレクティブの千川原(ちがはら)公彦さん(41)は「災害弱者の目線に立った防災計画を作るためにも、自主防災組織の役員にもっと若い女性や子どもなどを入れるべきだ」と提言。長期的な視野に立った取り組みの重要性も強調し、「小学校などで定期的に防災教育を受ける機会を作れば、防災意識が高い住民を増やすことにつながる」と話している。(遠藤隆史)

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