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5:消える垣根 大競争の波、他媒体にもテレビに、プリンターが接続される。将来、そうなると言われている。総務省によると、来年からメーカー、放送局の間で、デジタルテレビの製品規格にプリンターを加える検討作業が本格化するという。 □ □ 実用化されると―― テレビの料理番組を見ていてレシピがほしくなったら、写真入りのレシピ。CMで気になったら、商品のカタログ。ニュースを見ていてもっと情報がほしいときは、それに関する記事。いずれもリモコン操作でテレビ画面から「印刷」を指示し、家庭内ネットワークでつながったプリンターから出せるようになるだろう。 個人認証もできるので、有料サービスもできる。コンサートのチケット、新聞や雑誌の記事も、自宅で入手できるかもしれない。 すでにインターネットで、できることもある。しかし、パソコンが将来、全国民に広まるとは限らない。だれもがリモコンで簡単に使えるテレビが、パソコンの役割を担うようになる可能性がある。 民間放送局にとっては採算のとれる事業になるか、すぐには見通せない。一方、NHKには、民放キー局上位2社の売り上げを合わせた規模の受信料収入が毎年入っている。公共放送の付加サービスとして、事業を一気に広げる好機になるとの見方も出てくるだろう。 □ □ 総務省の計画通り8年後、全世帯にデジタルテレビが行き渡ると、地上波だけでなく、BS、CS、ブロードバンドといった、情報を伝えるさまざまな伝送路がテレビに直結する。 ブロードバンドの利用世帯が1000万を超えた今年、通信業界からの放送事業参入が相次いだ。 ソフトバンクグループのBBケーブルTVは7月から、ADSL(非対称デジタル加入者線)を使った放送事業を始めた。ニュースや音楽など20チャンネル。10月末の契約者は約1000件で放送地域は首都圏だけだが、順次広げていくという。 KDDIは今月中旬から光ファイバーを使った放送事業を始める。チャンネル数は28。NTT東日本の子会社でプロバイダーの「ぷららネットワークス」は、セコムなどが出資する放送会社と組んで放送を始める計画だ。 いずれも向かう先は、パソコンではなくテレビだ。 □ □ 携帯電話会社を選ぶように、視聴者は、地上波、衛星波、有線の中から最も信頼でき、安くて便利なテレビ受信方式を選べるようになるかもしれない。一方、通信の積極性に比べると、新聞、雑誌といった印刷媒体の動きはなかなか見えてこない。 5年前から北海道内の地方紙15紙や朝日新聞の主な記事を毎日提供するパソコン向けのアナログ・データ放送を手がけてきた樋泉実・北海道テレビ取締役は、放送のデジタル化によって放送業界で選別が始まり、結果的に情報の寡占化が進む恐れがあるとみる。「放送局にとっては、ジャーナリズムをはじめメディアとしての存在意義が一層問われる事態になる。印刷媒体も影響を受けずにはいられない。放送局が新聞や雑誌と連携できるかどうかも、ポイントとなるだろう」 地上デジタルは、通信や印刷媒体も巻き込んだ、大競争の号砲になるのだろうか。(おわり)
(03/12/03)
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