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【地上デジタル放送】
 
BSデジタル初撤退 苦戦するデータ放送専門

 放送開始から4年でBSデジタル放送から撤退する放送局があらわれた。メディアサーブ(BS955)の撤退の背景には、BSデジタル業界やデータ放送事業が抱える構造的な問題がある。

 00年12月に始まったBSデジタル放送は、旧来のアナログ方式より3倍以上の情報を送れるため、高画質・高音質の放送やデータ放送、双方向機能というアナログ放送にはなかった特色が売り物だった。

 開始以来右肩上がりで普及し、放送開始から3年9カ月で約651万世帯に達した。3年遅れで始まった地上デジタル放送に対応する標準受信機がBS、CS(通信衛星)共用になったこともBSの普及には好材料になった。

 その一方で、広告料で運営して視聴者から費用をとらない無料放送が中心のBSデジタル民放の売り上げは、00年度が731億円▽01年度 897億円▽02年度 824億円▽03年度 796億円と横ばい状態が続いている。世帯普及率でみると、ほぼ100%の地上波と比べ、まだ1割強にとどまっており、広告媒体として苦戦を強いられているのが現状だ。

 これに加えてデータ放送の場合は、1放送局に割り振られた周波数帯域が狭いため、送信できる情報がどうしても限られ、視聴者の見たいページが画面上に表れるのに数秒かかってしまう。チャンネル番号も3けたのため、いちいちリモコン操作で番号を画面に打ち込む手間もかかる難点を抱えている。

 NHKや民放キー局系の局のように動画映像を放送している局は、動画部分を縮小させてデータ放送画面を同時に映し出すこともできるが、メディアサーブのような動画放送をしない独立放送局は、多チャンネルの中に埋没しないよう、どこも苦心を続けている。

 最近は、ブロードバンド(高速・大容量通信)に接続できるテレビ受信機も増えている。データ放送の内容に関連するさらに詳しい情報をブロードバンド経由でテレビ画面に引き出せるようにするなど、データ放送を補完するサービスを始める局も出始めた。

 国内のテレビ放送は2011年にデジタル放送に一本化される。BSアナログ放送が終われば、空いた周波数帯域はデジタル放送に使えるようになる。しかし、いくら「売り場面積」とも言える周波数帯域が増えても、民放の場合、採算のとれるサービスが見いだせないと局面の打開は望めない。

 一方、BSで3チャンネルを持っているNHKは、受信料による安定した収入があるため、昨年、データ放送拡充などBSでのさらなる帯域使用の要望を表明している。

   ◇

 〈BSデジタル放送〉 動画、データ放送、ラジオの3種類の放送がある。NHKは動画とデータ放送を流し、民放18社の中には3種類すべてを放送している社もある。「BS955」のようにデータ放送だけを専門とするのは7社で、ラジオ専門局もある。 (09/17 10:55)


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