全盲スイマーを、育てる 動画(1分55秒)

シーン1

(質問) 木村選手の泳ぎを初めて見て

(野口) 一番最初は何で真っ直ぐ泳げないのかだったのです。ロンドンパラリンピックで50mのクロールを見ても2回コースロープにぶち当たっていました。激しいハードヒットが2回ぐらいあって、あとはこするぐらいのヒットが何回もありました。

どんなものなのか、私が一回ブラインドゴーグルを借りて自分で泳いでみました。

「あー、なるほど。これは無理だわ」って思ったのと、我々が泳ぐとクロールだったら手を前に入水したときに、すぐにロープを探そうとするんですよ。彼は何の躊躇もなしに手を入れたらそのまま返ってきます。(手を)後ろに抜き上げるときに触っています。抜き上げるときに触ったり、リカバリーをしながら指先で触ることによって自分の位置を認識しています。

インタビューで語る野口コーチ

シーン2

(質問) 筋力をつけることに意味

(野口) ロスをしてもいいような状態に仕上げていきます。例えば距離をたくさん泳いでも最後まで体力が持つようにしていくとか、技術がちょっと狂っても最後までピッチでカバーできるとか、そのような資質は作っておかなければならない。そうすると何が必要になるかというとエネルギータンク、エネルギーをたくさん生み出せる力を作るということが必要になってくるので筋肉をたくさんつけます。体重が増えることによって、重くなるとかいろいろなことがデメリットとして上げられますが、実際に5キロ体重が増えたところで、水中に入れば浮力の影響で重さは3分の1になりますので、約2キロ未満ぐらいの増加にしかなりません。慣性の法則が働きますので、例えば平泳ぎで足を蹴って腕が前に伸びている状態のときに、重さ(体重)があるほうが加速がつきやすいので、メリットのほうが大きいと思います。

木村選手のトレーニングを指導する野口コーチ
=敬称略