加害少年との7年余、元裁判官が本に 神戸児童殺傷事件
2006年02月13日20時27分
神戸市で97年に起きた児童連続殺傷事件で、当時14歳だった加害男性の少年審判などを担当し、7年5カ月見守り続けた井垣康弘さん(66)がその思い出などをつづったエッセー「少年裁判官ノオト」(日本評論社)が13日、出版された。
昨年、裁判官を定年退官した井垣さんは、現在は弁護士として少年問題に取り組んでいる。本の中から14歳だった加害男性の部分を拾うと――
医療少年院へ収容された男性に1年に1度のペースで面会を重ねた。最初の視察では「断固として裁判官たちには会いません!」と断られたが、その後の少年の心境の変化をこう記している。
〈自分にかかわってくれた人たちが「とにかく、生きなさい」というメッセージを与え続けてくれていた。そのとき、「死んでしまいたい」と思っていた自分は一年以上もうらみ続けていたけれども、言い続けてくれたことについて、心から感謝したい〉
少年院で被害者遺族が出版した本を繰り返し読んだ男性は、〈その悲しみや痛みをもっとわかるよう、もっと近づいていけるよう日々努力したい〉と決意するまでになったという。
02年7月、収容継続を決定した審判の席で男性が語った言葉も次のようにつづられている。
〈先日、母親から『淳君を殺したのはお前だね』と問われ、「もちろんそうだ」と答えたが、母親が『いままで、親である自分の口から一度も尋ねてあげる機会がなくてとてもつらかった』というのを聞いて、僕は、『母親というものはそんな思いで生きているものなのか』と初めて知って、わだかまりが消えた〉
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