
米軍普天間飛行場にオスプレイが到着。ゲート前では市民らが抗議の声をあげた=1日午前11時14分、沖縄県宜野湾市、上田潤撮影
沖縄で抗議の声が渦巻くなか、新型輸送機オスプレイ6機が1日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に着陸した。怒りと不安を無視するような配備の強行。市民の反発は一気に高まった。
普天間飛行場には、午前11時すぎから3回に分け、オスプレイ2機ずつが着陸した。住宅街に囲まれた「世界一危険な飛行場」。飛び方を確かめるかのように異なるルートを使い、市街地の上を次々に飛んだ。
飛行場を見渡す宜野湾市の嘉数(かかず)高台公園からは午前11時前、最初の2機が東北東に見えた。8年前にヘリ墜落事故のあった沖縄国際大の方角だ。大きく右に旋回しながら、ぐんぐん迫って来る。プロペラを前に倒した固定翼モード。高度が下がり、ボタボタボタと音がする。機体がすぐ近くに見えた。着陸時はプロペラを完全に上に向けたヘリモードになった。
約15分後、今度は、反対の南西側から3、4機目が住宅街を突っ切ってきた。4機目は、視界に入った時点で、すでにヘリモードになっていた。11時40分すぎに現れた5、6機目はショッピングセンターなどが立ち並ぶ那覇市の新都心地区の上空を通過。事故の危険性が指摘される転換モードだった。
■議員や首長も座り込み
宜野湾市役所に近い野嵩(のだけ)ゲートには午前7時すぎ、配備に反対する市民ら約300人が集まった。県選出の国会議員、市町村の首長や議員ら約100人は「オスプレイ断固反対」と書かれた赤いゼッケンやはちまきをして、県警が設けたバリケードの前で座り込んだ。
午前11時すぎ、オスプレイの灰色の機体がわずかに空に見えると、「オスプレイは帰れ」「県民を愚弄(ぐろう)するな」と抗議の声が続いた。険しい表情で拳を突き上げる人、「NO」と手書きされたカードを掲げる人。「全基地閉鎖するぞ」「米軍は帰れ」と訴えは激しさを増した。
県議会の日程を延期した県議らも次々に到着。座り込みを続けていた男性は「普天間が、県民の怒りに包まれた基地になることは間違いない」と語った。
抗議は党派の垣根を越えている。自民党県連幹事長の照屋守之県議は9月の県民大会にふれ、「あれだけの声があって、なお強行配備というのはあり得ないと期待していた。しかし、裏切られつつある」と怒りをぶつけた。社民党の照屋寛徳衆院議員も「沖縄の民意を無視する日米両政府の脅威が、襲いかかろうとしている」と訴えた。
宜野湾市の非常勤職員の女性(59)は、基地に向けてオスプレイ反対を訴えるメッセージカードを掲げた。ゲートを訪れたのは4回目。きょうにも沖縄へ配備と聞き、仕事の前に駆けつけた。「家の上を日常的に、あんなに危険なものが飛ぶのは耐えられない。不安がさらに大きくなった」
基地のメーンゲートにあたる大山ゲート前では、約30人の市民が車で出勤する米兵に「ノー・オスプレイ!」などと声を張り上げた。市民らは信号のない横断歩道をのんびり渡ったり、基地へつながる道を車で徐行運転したり。そんな「牛歩戦術」で抗議の意思を示した。9月30日に車12台をゲート前に並べて封鎖していたが、県警に強制排除された。
浦添市の主婦(63)は午前4時に起き、赤い傘に油性フェルトペンで「オスプレイ帰れ」と書いて持ってきた。ゲート前の行動に参加するのは初めて。「日本政府は私たちの思いを聞かない。沖縄は居心地が悪いよと、米軍に直接訴えるしかない」と語った。
市民による連日の抗議行動に対し、県警は機動隊車両などを配置。野嵩ゲート前では1日も約50人の警官が基地フェンスを背に壁をつくった。基地内では銃を身につけた米兵数人が遠巻きに見守っていた。