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シュワブ陸上案「ミニ普天間」 住宅地近く大型工事必要

2010年3月11日19時48分

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写真米軍普天間飛行場の移設先として陸上案が検討されているキャンプ・シュワブ。左端は辺野古集落=沖縄県名護市、朝日新聞社機から、山本壮一郎撮影

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 鳩山政権が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として検討しているキャンプ・シュワブ(同県名護市など)陸上案に、防衛省や県から強い異論が出ている。これまで何度も浮上しては消えてきたのは、米軍の反対だけでなく、住宅地に極めて近く、騒音や安全の問題があるため。大規模な土木工事に加えて環境影響評価(アセスメント)の期間も必要で、現在の日米合意の移設期限である2014年を超えるのも確実だ。

 「何度つぶれてもよみがえる亡霊みたいな案だ」。防衛省関係者はシュワブ陸上案をそう評した。

 陸上案では、名護市の辺野古集落(1220世帯、約2080人)や沖縄高専(生徒数約850人)が、ヘリコプターなどの飛行ルートの直下に入ることになる。

 住宅密集地にあって騒音被害や事故の危険が大きいことが普天間飛行場移設の本来の理由だったはずだ。県幹部も「陸上案は騒音、危険性の両面でミニ普天間を造ることになる」と危機感を募らせる。

 日米が合意した現行のシュワブ沿岸(名護市辺野古地区)への移設計画も、辺野古集落などの10世帯に対する騒音や安全面の配慮から元の計画が修正された経緯がある。仲井真弘多知事は10日に平野博文官房長官と会談した際「理解不能だ。陸に上がっていけば、人が住んでいるんですから」と訴えた。

 鳩山政権で有力視されている陸上案の滑走路は500メートル規模。環境影響評価法と同法施行令では、滑走路の長さが1875メートル未満の飛行場には、約3年かかるアセスの調査・手続きが不要だからだ。が、沖縄県環境影響評価条例では、「飛行場」を建設する場合は滑走路の長さと無関係にすべてアセスの対象となる。「陸上ヘリポート」の場合でも、長さが30メートル以上ならアセス対象という。「500メートル規模ならアセスが不要という認識は間違いだ」と、県の担当者は話す。

 陸上案は海を埋め立てる現行案より工期は短縮できるとはいえ、山の大規模な掘削や広い範囲の森林の伐採が必要で、アセス期間を含めると現行の移設期限の14年には間に合わない。(土居貴輝)

     ◇

 〈普天間飛行場の移設先〉 2006年に日米両政府が合意した現行案は、14年までに沖縄県名護市の米軍キャンプ・シュワブの沿岸部を埋め立て、代替施設を建設する計画。社民党は在沖縄海兵隊をグアムなどに移転させ、実現までの間は普天間の機能を県外移設する案などを、国民新党はキャンプ・シュワブ陸上案と沖縄県内の嘉手納基地に普天間の機能を統合する案を示している。

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