米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設をめぐり、野田内閣は年内の埋め立て申請を見送る方針を決めた。沖縄の反発が予想され、来月の総選挙を経て新政権の枠組みが固まった後でないと、申請に踏み切れないと判断した。
野田佳彦首相は22日、首相官邸で岡田克也副総理、森本敏防衛相、玄葉光一郎外相らと協議。沖縄県への埋め立て申請は、12月16日投開票の総選挙後に発足する新内閣が判断すべきだという認識で一致した。
埋め立て申請の前提となる移設先の環境影響評価(アセスメント)は、県の意見をふまえ評価書を補正し、来月下旬に確定することとした。評価書の県への提出は、防衛省は新内閣発足前に事務的に済ませるべきだとの立場。だが、外務省幹部は「選挙直後に現政権と次の政権が相談することになる」と語る。
昨年末に補正前の評価書を県に提出した際には、反対する市民らと数日にわたってもみ合う混乱があった。そのため、この日の協議では結論が出なかった。
協議後、森本氏は記者会見で「次の政権がいつできるかわからない。(評価書提出後の)埋め立て申請は決まってない」と語った。政権奪還を目指す自民党は「末期の野田政権が重要政策を判断すべきでない」(防衛族)とクギを刺す。
首相らは沖縄で相次ぐ米兵の事件についても対応を検討。28日に那覇市で在沖米軍幹部や地元関係者を交えた対策会議を開くことを決めた。10月に出た米兵の夜間外出禁止令を破る形での事件の続発をふまえたもの。だが、この日も米兵が建造物侵入容疑で逮捕され、対応が後手に回っている。
この協議に先立ち、沖縄の経済関係者らが首相官邸を訪れ、地元の要望が強い那覇空港拡張への支援を要請。首相は「新年度予算編成できちっと財源を確保し早急に推進したい」と述べ、政権を保って沖縄振興に取り組みたい考えを示した。