現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. メディア激変
  5. 記事

〈メディア激変17〉新聞をつくる―1 情報の輪を広げる

2010年4月24日10時37分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真インタビューに答える浜松経済新聞の大久保貴通さん(右)と日比谷実さん=静岡県浜松市、関田航撮影

 「お寺が婚活イベント、申込多数」

 1日15億回もの閲覧があるポータルサイト、ヤフージャパン。トップページで、一番目につくのがニュースコーナー「トピックス」だ。そこに今年2月17日、こんな記事が掲載された。

 浜松市のお寺の副住職が発案、精進料理フルコースを食べながらの定員60人の婚活イベントに、100人近くが殺到しているという。

 新聞社や通信社と並んで記事を配信したのは、昨年12月に創刊したばかりの「浜松経済新聞」だ。「お寺が対応できないぐらい問い合わせがあったようです」と筆者の粟野晃右(こうすけ)さん(28)。

 この「新聞」は、街の話題を紹介するニュースサイト。「生まれ育った浜松に元気がない。面白い情報もあるのに、知られていない。地元から発信して活気づけよう」。大久保貴通さん(34)が、編集長の日比谷実さん(40)に声をかけて立ち上げた。

 それぞれ、ウェブ関連の仕事が本業。粟野さんも大久保さんの会社のデザイナーだ。

 練習のため、昨年8月から、見よう見まねで記事を書きためた。まずは知り合いや仕事のお客さん一人ひとりに「新聞」のことを説明し、情報提供をお願いするところから始めた。「次第に人と人がつながってきて、徐々に情報が入ってくるようになった」と日比谷さん。

 平日は毎日更新を目指す。大久保さんは、「記事をいろんな人に読んでもらい、喜んでもらえるのが一番うれしい」と話す。

 「浜松経済新聞」は、同じスタイルの55サイトが連携する「みんなの経済新聞ネットワーク」で、「ニューヨーク経済新聞」とともに一番の新顔だ。いずれも既存の新聞社とは関係ない、別に本業を持つ人たちが運営する。

 福岡の「天神経済新聞」創刊は5年前。4番目にできた「経済新聞」だ。

 現在の編集長の森田美代子さん(36)も、ウェブ制作が本業。顧客に幅広い提案をするための、地域の情報収集の一環として始まった。

 執筆は、社内の同じ部署のメンバーで分担。取材先は職場から15〜20分圏内。本業に差し支えず、無理なく行ってこられる距離とした。最初は広報資料を出していそうな、商業施設や大手企業に飛び込み、名刺を配り歩いた。

 1日1本、もう少しやれそうなら2本。「本業とのバランスはあるが毎日見てもらいたいから」と森田さん。取材を通じた出会いから、地元の街づくり組織にもかかわるようになった。

 今日の街の姿を残していく。そんな考え方から最初の「経済新聞」を始めたのが、西樹(たてき)さん(49)だ。(編集委員・平 和博)

PR情報
検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介