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〈メディア激変26〉自治体から―1 移住者めがけて情報発信

2010年5月7日23時22分

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写真ツイッターを担当する上田智章さん=北海道陸別町役場

 「本日の陸別町は雪が3センチ程(ほど)つもりました。寒暖の差が大きく風邪が流行(はや)っております(私も風邪のようです)。体調管理に気をつけましょう!」

 4月21日朝、北海道陸別町。町役場の窓口になっている町民課カウンターそばの席から、同課の上田智章さん(32)がツイッターに書き込んだ。担当は国民健康保険、衛生、広報。国保税を計算し、迷い犬がいれば保護し、ゴミの収集について案内する。

 「小さい町ですから一人何役もします」。29歳で役場に入った若手。町民が訪れると、真っ先に席を立つ。

 十勝地方にある陸別町は人口2700人余り。町に高校はなく、中学を卒業すると親元を離れる生徒も多い。冬はマイナス30度も珍しくない。キャッチコピーは「日本一寒い町」。

 この町がいま、ツイッターで注目を集めている。

 発信するのは天気とイベント、そして、最大の目的である移住情報が中心だ。酪農を中心に新規就農者への支援をアピールする。

 「町に興味を持ってもらうため、町外に向けて発信します。移住者のターゲットは関西、東海地方。各種統計から北海道への移住が多い」。上田さんが歯切れよく説明した。

 ツイッターを始めたのは昨年7月14日。自治体で最も早く始めたと言われる青森県の翌日だった。

 「昨年2月から準備し、どこかやらないかな、と待っていた。青森県が始めたのを知り、翌日から早速です。1番だと、問い合わせがすごいでしょうから」

 同じ十勝の更別村出身。札幌のウェブ制作会社に勤めた経験があり、町のホームページ(HP)のリニューアルにかかわった。

 「私たちのような小さな町のHPをわざわざ見に来る人はあまりいない。だったら、ツイッターでこちらから町外の人に呼びかけようと考えた」。町のお知らせなどは隣近所や役場に聞けばいい。アナログのコミュニケーションは健在だ。

 人口はこの30年で半分近くに減った。移住者は町の存続を左右する。陸別町と東京が晴れ、大阪が雨だったとする。「そんなときは『そちらは雨のようですね』と書きます」

 ツイッターを見て移住を決めた、という人はまだいない。

 全国の自治体から連日のように問い合わせが来る。批判や炎上を恐れる声が多い。上田さんもいろいろと試してきた。(坂田達郎)

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