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〈メディア激変25〉この人が使う―6 その会場から実況する

2010年5月7日23時21分

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写真ツイッターについて語る津田大介さん

 「これって、最速の文字報道だな」

 07年5月、文化庁文化審議会の著作権分科会・私的録音録画小委員会に専門委員として出席していたジャーナリストの津田大介さん(36)は、そう感じた。

 違法にネット配信された音楽や映像について、ダウンロード行為自体も違法とすることの是非を巡る論議などが進んでいた。ネット利用者の関心は高いはずだが、議事録が公開されるのは2カ月程度後。「@tsuda」名で登録したばかりのツイッターを、手持ちのノートパソコンで見ていた津田さんは、「この内容を、そのまま書いてしまおう」と思い立つ。各委員の発言を要約し、同時進行の実況中継として投稿し始めた。

 反響はすぐにきた。「行けなくて困っていた。会議の内容が分かり助かった」と音楽関係者などから感謝の言葉も。そんな声に押され、ネットで関心の高そうな会議に出てはツイッター中継をした。1時間に100回程度書き込むと、その場で議事録が出来上がる。それがさらにツイッターで引用、転送され、論議が広がるきっかけになっていく。

 昨年5月15日、上智大学で開かれた「週刊誌のこれからを考えるシンポジウム」。主だった編集長らが登壇した会場は、立ち見はおろか、中に入れない人たちも出た。

 その会場からも、津田さんはツイッター中継をした。シンポジウムを見られなかった人も、この中継を手がかりに、論議の流れに参加できた。ツイッター中継は、津田さんの登録名をもじって、「tsudaる」と呼ばれ始める。

 こうした体験をまとめた著書「Twitter社会論」を昨年11月に出版、5万部近いベストセラーになった。早稲田大学では、ツイッターとジャーナリズムについての講座を持つ。

 「初めての人は、まず興味がある人を100人フォローしてみるといい」と勧める。読んでいるうちに、自分も何かを言いたくなる。次第に会話が広がり、楽しさが分かるという。

 時候のあいさつも「件名」もなく話題が進行するツイッターを「話を早くするツール」と表現する。「これまでの根回しとは逆の、公開して論議する新しい習慣を、日本人が受け入れられるかどうか」と津田さん。

 いつでもどこでも、即座につながる――。携帯電話の特徴を、かつては逆に嫌がる人もいた。だが今では、世代に関係なく普及している。「ツイッターも同じ。同時進行でつながる、こういう機能は、今後も普及していくだろう」と見ている。(服部 桂)

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