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〈メディア激変32〉NASAから―1 1万キロ離れた会見への質問

2010年5月21日19時23分

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写真宇宙飛行士・山崎直子さんの記者会見を取材してネット生中継するスタッフら=3月9日、米テキサス州ヒューストン

 「山崎さん、宇宙にはどんな私物を持っていきますか?」

 宇宙飛行士の山崎直子さん(39)が乗るスペースシャトル・ディスカバリーの打ち上げを1カ月後に控えた3月9日。米テキサス州ヒューストンの米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターの記者会見でこんな質問が出た。

 さほど変わった質問でもない。ただこれは、約1万キロ離れた日本の利用者が、動画投稿サイト「ニコニコ動画」に寄せた質問だった。

 約20人の記者が集まった会見の様子は、「ニコ・ニコ・ドウガ・インク」社長ジェームズ・スパーンさん(39)、今井里美さん(35)ら3人が撮影、ネット経由でニコニコ動画に配信した。同社は、日本のコンテンツ会社ドワンゴが傘下で運営するニコニコ動画などに、米国発の映像を配信する現地会社だ。

 行政刷新会議「事業仕分け」の公式ネット生中継も担当しているニコニコ動画は、映像をリアルタイムで流しながら、利用者が自由にコメントを書き込める仕組みだ。

 「ちょっと面白いことをしたい」。ニコニコ動画のサービスを考案したドワンゴの川上量生会長(41)が、米国での撮影体制を作りたいとスパーンさんに持ちかけて、ニコ・ニコ社の設立が決まった。昨年10月のことだ。

 大急ぎで準備し、翌11月にはスペースシャトル・アトランティスの打ち上げを生中継した。

 今回の会見では、事前に電子メールで寄せられた質問から四つを選び、生中継中の画面に表示。クリックされた数が多い質問を、スパーンさんらが山崎さんにぶつけた。

 「どの質問を聞くか、会見直前まで結果をドキドキしながら待っていた」とスパーンさん。山崎さんの会見は、日本では未明だったが、1万人近い人がスパーンさんらの生中継を見た。

 ニコ・ニコ社は米マイクロソフトのエンジニアだったスパーンさんのほか、日本でゲーム会社にいたスタッフなど全部で4人。ニコニコ動画関係の仕事が多いが、日本のテレビ局に映像の提供も行っている。マイクロソフトの本社も近いワシントン州シアトル近郊が拠点だ。

 NASAなど撮影先からは、既存メディアと同じ扱いを受けている。「ネットを利用して、より多くの方にアピールできるから認められているのだと思う」とスパーンさんは言う。

(ジョンソン宇宙センター〈米テキサス州〉=勝田敏彦)

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