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〈メディア激変35〉発祥の地から―2 会議で発揮した口コミ効果

2010年5月21日19時25分

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写真米テキサス州オースティンで3月にあった会議「SXSW」で講演するエバン・ウィリアムズさん=AP

 起業家のジャック・ドーシーさん(33)が、バイク便の集配効率化ソフトを開発したアイデアをもとに、2006年3月に試作品までたどりついたツイッター。共同創業者となる他の2人も、ほどなくその魅力を体感した。

 ビズ・ストーンさん(36)はある週末、妻とカーペットをはがして自宅の模様替えに励んでいた。携帯電話を見ると、こんなつぶやきがあった。「ナパでワインをちびちびやり、マッサージを受けている」。エバン・ウィリアムズさん(38)が試作品を使って書き込んでいた。汗だくになっていたストーンさんは、笑ってしまった。同時に、今何をやっているかを共有するってこういうことなのか、とひざを打った。

 この時点ではまだ、内輪のやり取りに過ぎなかった。見知らぬ人への口コミ効果というツイッターの特性が発揮され、広く世に知られるようになったのは、約1年後のことだ。

 06年7月に、ツイッターは正式にサービスを開始。その8カ月後、3人は米テキサス州で開かれたメディア関係者らの会議「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)」に臨んだ。世界の専門家らが複数の会場に分かれ、最新のメディア事情について議論する場だった。だが、ひとたび会場に入ってしまえば、他会場で興味深い議論が起きても、聞き逃してしまう。大きな会議ではよくあることだが、もったいない。

 既にツイッターに登録した参加者もいて、会議主催者はツイッターのページを設けていた。創業者3人は会場の目立つ場所に大型画面を持ち込み、主催者側の情報発信や、それをフォローする参加者らの発信を、だれもが画面で見られるようにした。「この話、おもしろい」「時間超過で質問あと二つ」「これはつまらない」。そんなやり取りが、画面に流れた。

 徐々に参加者が動き始めた。画面を見て、より面白そうな議論や、まだ続いている会場を目指して、席を立ったのだ。

 「泊まっているホテルのベッドが最悪」と書き込んだ参加者が翌日、別の参加者から「ホテル、どう?」と聞かれることもあった。夜の懇親会でも情報交換は続き、ツイッターを知らなかった人も、続々と登録した。

 会議を席巻したツイッターはこの時、「SXSW」ウェブ賞のブログ部門を受賞した。ドーシーさんは授賞式で「140字かそれ以内で感謝の言葉を述べたい」とあいさつ。そんな様子も、参加者らがツイッターに書き連ねた。

 「会議以外でどう役に立つ?」。懐疑的な関係者もいた。だが、利用が広がるにつれ、そんな認識は覆されていった。(藤えりか)

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