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〈メディア激変37〉発祥の地から―4 つぶやき大国日本へ

2010年5月28日20時26分

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 「ようこそ!」

 ツイッターの公式ブログに2008年4月、サンフランシスコの本社スタッフが慣れない日本語で口々にあいさつする動画が掲載された。日本語版のスタートだ。「英語版を使っていた皆さんが、日本語版を気に入ってくれることを願っています」。共同創業者のビズ・ストーンさん(36)が、日本語の字幕つきで語りかける様子も流れた。

 英語以外では初めての言語サービス展開だった。背景には、着実に利用者が増え続けていた日本市場の広がりがあった。

 携帯電話のメールが普及していたためもあってか、英語版だけのころから、日本でツイッターはすんなり受け入れられていた。日本語版の開始時点で、既に東京の一日のつぶやき数は世界の都市で最多に、本社のおひざ元のサンフランシスコの2倍以上に達していた。

 東京・渋谷を拠点にネット事業を展開するデジタルガレージ社は、そんなツイッターの勢いと可能性に早くから注目していた。07年春、メディア関係者らが米国で開いた会議でツイッターが初めて脚光を浴びたすぐ後から、出資の機会を探った。雑誌社からデジタル社に転職したばかりの枝洋樹さん(42)が、海外投資担当として、サンフランシスコに通い始めた。

 当時、従業員十数人ほどだったツイッター社には、提携の申し出が殺到し始めていた。「出資後は日本語版の支援をします」。枝さんは、自社との提携の利点を懸命に訴えた。

 ツイッター社にも、日本は「伸びる市場」に見えた。共同創業者エバン・ウィリアムズさん(38)が、デジタル社を立ち上げた伊藤穣一さん(43)と面識があった縁もあり、提携話は順調に進展。08年1月に両社は業務・資本提携した。デジタル社は、共同開発者として3カ月後の日本語版スタートを支えることになった。

 枝さんは用語の翻訳に気を使った。元々「鳥のさえずり」という意味の「ツイート」が、日本語版では「つぶやき」となった。枝さんにいわせると、「ツイートとは、何かを期待するわけではない、あくまで独り言」だ。そんな雰囲気を表しつつ、親しみの持てそうな表現にこだわった。

 準備のかいあって、日本の利用者はさらに増えた。仏調査会社セミオキャストは今年3月末、日本からつぶやく人の割合は最大の米国に次ぐ15%に達した、と発表した。(藤えりか)

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