現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. メディア激変
  5. 記事

〈メディア激変47〉伝える、海の向こうで―2 英選挙、クレッグ人気急騰

2010年6月11日17時31分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真「ツイッターは政治をオープンにする」と信じるナルデリさん=ロンドン、土佐写す

 「クレッグ、見た? 応援しようよ」

 英オックスフォード・ブルックス大学の学生エリオット・スミスさん(21)は、ネットの交流サービス「フェースブック」に書き込んだ。

 英総選挙(5月6日投開票)の選挙戦まっただ中の4月15日。同国で初めて主要3党の党首によるテレビ討論があった。それまで無名だった自由民主党のクレッグ党首が「労働、保守両党の二大政党制はもう古い」と批判する姿が新鮮に映り、人気が一気に跳ね上がった。

 スミスさんは、それまで選挙に興味がなく、フェースブックでの友人との会話も就職活動への不安が中心だった。だが、話題は一変した。

 知人と、地元の自民党候補の選挙事務所に駆け込んだ。「急に学生ボランティアの数が倍増した。こんなこと初めて」とスティーブン・ゴダード候補は驚いた。

 国民の大半がテレビ討論にくぎ付けになっているまさにその時、ネット上でも、熱い戦いが繰り広げられていた。

 「ブラウンはいいぞ。力強いし明確だ。キャメロンは最低だ」

 労働党のミリバンド前外相は、奮闘するブラウン前首相のことをツイッターに書き込んだ。

 テレビ討論では公平を期すため、スタジオの観戦者は声援や拍手を一切してはいけない。代わりに、支持者はネット上で応援した。

 ツイッターを利用する約200人の国会議員や政治記者の書き込みが一覧できるサイト「ツイットミンスター」によると、討論中の90分間に、約3万5千人が18万件以上つぶやいた。

 同サイト創設者のアルベルト・ナルデリさん(30)は「特に若者によるクレッグ氏への応援は、目を見張る量だった」と話す。

 ある調査によると、選挙期間中、18〜24歳の有権者の4分の1がフェースブックやツイッターで選挙に関する書き込みをした。話題の多くはクレッグ氏が占めた。支持者らは、自発的にネットで応援を始めた。

 しかし、クレッグ人気は次第に失速した。ネットの関心は移ろいやすい。ナルデリさんによると、ツイッターで注目された話題が翌週も続くケースは5%ほど。「次の作戦がなく、クレッグ氏は人気を投票に結びつけられなかった」

 実際、選挙戦終盤、ブラウン氏が外し忘れたマイクで女性支持者の悪口を拾われるという失態がネットの話題を独占。クレッグ氏は主役の座を奪われていた。(ロンドン=土佐茂生)

PR情報
検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介