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〈メディア激変49〉伝える、海の向こうで―4 支え合う在留日本人たち

2010年6月11日17時32分

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写真ツイッターの発信から始まった「頑張れタイ」プロジェクトの会合に集まった日本人飲食店主ら=5月31日、バンコク、藤谷写す

 〈地下鉄ペッブリー駅からホアランポーン駅間の運行を休止〉〈午後2時ごろに夜間外出禁止令に関する発表があるようです〉〈22日からバンコク銀など主要7銀行がショッピングセンター内にある支店の土日営業を開始〉

 3月から2カ月以上にわたって混乱が続いたタイの騒乱。この間、反政府集会などに絡んで刻々と動く状況や生活に関連する情報を、ツイッター上で日本語で発信する人たちがいた。

 日系企業の駐在員、「@Jean_bkk」さんもその一人。仕事の傍ら、地元紙の記事を紹介するサイトを10年間運営し続け、去年11月からはツイッターで「速報ニュースのようなもの」を発信する。騒乱の前後で1400人が新たにフォローを始め、いま、全体の6〜7割が在留邦人だという。「いち早く情報を知ることができたことへの感謝が寄せられ、それが励みとなって毎日更新することができた」と話す。

 反政府集会が都心で開かれたバンコクでは交通機関が運休し、企業や学校が休止するなど、暮らしに大きな影を落とした。だが、言葉の壁もあり、5万人近いとされる在留邦人の間に、情報過疎への不満や不安が広がった。そうしたすきまの一つを埋めたのがツイッターだった。

 ネット上のあちこちで発信される情報の数々。バンコク在住の経営コンサルタント、大川ひろあきさん(48、@go2bkk)は3月中頃、ハッシュタグ「#ThaiRedJ」で情報を束ねようという提案をした。赤がシンボルカラーのタクシン元首相派の動向をめぐる情報を、日本語で発信するという意味だ。

 発信する人の職業も、自宅や会社の場所も、時間も様々。共通のハッシュタグで、情報共有が簡単になった。5月のひと月だけで5千回の「つぶやき」が流れ、治安当局の強制排除が行われた5月19日には940件に達した。

 騒乱が収束して間もない5月24日夜、騒乱の現場に近いタニヤ・シーロム地区で飲食店などを営む日本人らが集まった。騒乱の動きをツイッターで発信し続けた仲間たちだ。「遠のいた客足を取り戻すには、どうしたらいいだろう」。そんな書き込みをきっかけに「何か一緒にやろう」という機運が盛り上がり、最初の会合にこぎ着けた。

 在住者には賞品付きのスタンプラリーをし、旅行者には割引やおまけをつけよう――。会合の合間にツイッターなどでも意見を出し合う。「自分たちも、そして一緒に働くタイ人も元気になるように」との思いを込め、「#GanbareThai」(頑張れタイ)のハッシュタグがつけられている。(バンコク=藤谷健)

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