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〈メディア激変58〉発言がさらされる―1 取材に活用する記者たち

2010年6月25日17時38分

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写真ロイター通信のグローバル・エディター、ディーン・ライトさん=ニューヨーク、藤写す

 ツイッターやフェースブックなどソーシャル(交流)メディアが広がるにつれ、報道の現場でも、やりとりされる情報を取り込んだり、取材に活用したりする動きが目立ち始めた。記者のツイッターの書き込みを集め、一覧できるようにした「Muck Rack」は、そうしたメディアの進化を受けて生まれたサイトだ。

 のぞいてみると、「ゲーム見本市の任天堂ブース。3DSに歓声が上がった」「(米下院議長の)ペロシ氏が来た」といった取材の様子に加え、原油にまみれたメキシコ湾の取材映像を知らせる有名アンカーの書き込みもある。

 記者の主要な仕事の一つと言える「muckrake(汚職・醜聞を暴く)」という言葉をもじって名付けられた。ツイッターのアカウントを持つ記者なら、自由に登録できる。

 ロイター通信の医療担当エグゼクティブ・エディター、アイバン・オランスキーさん(37)の書き込みも、ここで見ることができる。

 「ソーシャルメディアは、取材にとても便利だ」。オランスキーさんは米科学誌電子版の編集長だった2008年、フェースブックに登録して20分もたたないうちにそう実感した。

 知り合いの著名な生命倫理学者と、フェースブック上で互いのページを見ることができる「友人」になった。さっそく学者のページを見たら、自ら設立した研究所の職を追われ、弁護士と協議中とわかった。すぐ記者に取材させ、特ダネとして報じた。オランスキーさんはその後、ツイッターも始め、記事を紹介したり、寄せられる意見や質問に答えたりしている。

 欧米メディアは多くの場合、記者のソーシャルメディア利用を原則、奨励している。ロイターもその一つ。グローバル・エディターのディーン・ライトさん(59)は「ソーシャルメディアを利用するようになった社会が、記者にも活用を期待している。情報を集め、記事を知らせ、読者と交流するにも強力なツールだ」。

 半面、「リスクも認識しなければならない」とロイターは3月、全世界約2800人の記者向けに指針を作った。即時性が売りのツイッターでは、書き込みを事前に二重チェックするのは難しく、内容によってはロイターの評価をおとしめかねないためだ。

 「書き込みはロイターのコメントとして引用されうる。載せる前に考えよ」「間違いを見つけても怒って反応しない」「取材先を明らかにするかもしれないことに注意しよう」。規定は子細だが、指針作りに携わったライトさんは「原則は、偏見なく正確、公正で独立。記者が持ち続ける責任だ」と話す。(藤えりか)

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