現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. メディア激変
  5. 記事

〈メディア激変60〉発言がさらされる―3 ツイッター失言、英総選挙でも

2010年6月25日17時39分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 「このバナナはひどい。奴隷に作らせた、化学薬品や遺伝子操作をしたバナナがましだ」

 5月の英総選挙。労働党から出馬した24歳のスチュワート・マクレナン氏がツイッターでの失言を英メディアに暴露され、選挙から撤退した。1年ほど前、買ったバナナにがっかりし、「奴隷」という差別的な表現を用いて冗談を書き込んでいたことが履歴から判明したのだ。

 投開票まで残り3週間。同氏は履歴を削除したうえで謝罪したが、同党のブラウン首相(当時)は「こうした考えの持ち主は労働党の候補者にできない」と同氏の立候補を取り消した。

 英総選挙で、労働党と保守党の2大政党のツイッター戦略は対照的だった。

 労組を中心に、市民ボランティアが参加しての戸別訪問など草の根の運動を得意とする労働党は、波及力のあるツイッターは支持者開拓に有用と判断し、利用を奨励。昨秋、英国最大の部数を誇る大衆紙サンが労働党支持をやめ、保守党支持を打ち出しても、労働党は「我々にはツイッターがある」と強がっていた。

 一方、資金力の豊富な保守党は大型看板や電話による働きかけが主流で、失言の可能性があるツイッター利用には消極的だった。

 米大統領選でオバマ氏を支えた団体「ブルー・ステート・デジタル」のマーシュー・マクレガー英国本部長は、英2大政党のツイッター戦略を「混乱」対「ブランド」と評した。「労働党は自由で活発だが、失言があれば悪夢になる。保守党は一貫性はあるが、つまらない」

 結局、総選挙は、ブラウン氏がマイクを外し忘れて有権者の悪口を拾われる失態などが響いて、労働党は敗北。保守党が第3党・自由民主党と連立を組んで政権に就いた。

 ところが、連立政権が出来た頃、保守党のジェレミー・ハント議員が、選挙中にツイッターに書き込んだクレッグ自民党党首への批判を消去したことが明るみに出た。ハント氏は選挙戦中、「クレッグ氏の政策では犯罪は取り締まれない」などと批判していた。党内では優等生のハント氏だったが、まさか選挙後に「敵」と連立を組むとは予測できなかった。こっそり過去の書き込みを消去したことが、かえって目立ち、メディアに取り上げられてしまった。

 保守党支持のブログを運営し、月17万回ものアクセスを誇って「最強のブロガー」といわれるイアン・デール氏は「政策を訴える政治家は世界で最もつまらない人種。有権者は建前を見抜くから。ツイッターで成功するには本音を語ることが重要だが、そこには失言が隣り合わせになる」と話した。(ロンドン=土佐茂生)

PR情報
検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介