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〈メディア激変68〉逆境に立ち向かう新聞―2 そしてメディアは動き始める

2010年7月9日17時18分

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 「加盟31カ国中、約20カ国で新聞読者は減少。いくつかの国は、深刻な落ち込みに見舞われている」

 6月11日、経済協力開発機構(OECD)は、「ニュースとインターネットの進化」と題した98ページに及ぶ報告書を公表した。ネットの拡大など、メディア環境の変化が押し寄せる新聞産業の現状をまとめたものだ。

 それによると、販売収入、広告収入を含めた09年の世界の新聞市場は前年比約10%減。OECD加盟国では約半数が、04年と比べて市場が縮小している。中でも突出しているのは市場規模が最大の米国の34%減。次いで英国の22%減、そして日本の18%減だ。

 読者の行き先の一つは、ネットだ。

 ネットでニュースを見る人の割合(08年)は、最も高い韓国で77%、米国では57%だ。そして、特に若者層では、ネットでしかニュースを見ない、という割合が増加。16〜24歳では主なニュースの閲読先がネットだった。さらに、「ニュースそのものを一切見ない、という若者も、相当数に上る」。

 そして、最大の新聞市場を持つ米国では今、新聞社の経営破綻(はたん)が相次ぐ。

 米新聞協会のデータによると、日刊紙の部数は、ピークの1984年(6300万部)に比べ、2008年には23%減の4900万部に。広告費では、ピークの00年、487億ドル(4.3兆円)から、09年はネット広告を含めても、半減近い276億ドル(2.4兆円)に下落した。

 米新聞社のリストラに関する情報サイト「ペーパーカッツ」によると、09年の解雇、早期勧奨退職は1万4700人以上。1日約40人が職を失っている計算になる。

 世界新聞協会のデータで、無料紙を除く新聞発行部数で米国を抜くのが、日本だ。

 その日本でも、発行部数の下落は続く。日本新聞協会の09年のデータでは、1999年に比べ、世帯数は13%増だが、新聞発行部数は逆に約6%減の5000万部。

 電通のデータによると、新聞広告費も09年は05年に比べて35%減の6700億円。初めて、インターネット広告費(7000億円、05年比87%増)が新聞を上回り、1.7兆円(同16%減)のテレビに次ぐ規模になった。

 記事や番組の配信先としてのウェブ、さらに多機能携帯端末やタブレット型端末アイパッドの登場――。この地殻変動に、新聞などの既存メディアも動き始めている。新たなビジネスモデルの模索。その一つが、日本経済新聞のネット課金だ。(編集委員・平 和博)

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