現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. メディア激変
  5. 記事

〈メディア激変74〉逆境に立ち向かう新聞―8 新ビジネスへの挑戦

2010年7月16日18時25分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真WEBRONZA(ウェブロンザ)の編集長を兼ねる一色清・編集委員。新聞、テレビ、デジタルと出番が増えた=東京・築地の朝日新聞社内

 7月4日の日曜日の午後、東京・築地の朝日新聞東京本社で動画サイト「ニコニコ動画」が協力したイベントが開かれた。1日から本格スタートした朝日新聞の言論・解説サイト「WEBRONZA」(ウェブロンザ)の創刊記念シンポジウム。2人の本紙編集委員と政治学者、経済学者が政治の行方を論じた。

 その様子を「ニコニコ動画」が生中継し、8千人の視聴者が2万件の感想をサイトに書き込んだ。記者クラブ問題などでは新聞社には厳しい書き込みが相次いだ。登壇した編集委員も反応をリアルタイムに感じながら発言し続けた。

 ネットを通じた報道・言論は多くの人々に即座に伝わるが、批判も素早く厳しい。そのネット空間で新聞社はどのように稼ぎ、生きてゆけるのか。その挑戦を朝日新聞も始めている。

 冒頭のシンポジウムの司会はテレビ朝日の報道番組「報道ステーション」のコメンテーターを務める一色清・編集委員(54)。6月末からはウェブロンザ編集長の肩書も持った。

 「政治・国際」「経済・雇用」「社会・メディア」の3分野に、社内の編集委員らベテラン記者30人と社外のアナリスト、ジャーナリストら30人が、その時々のニュース解説を毎日追加してゆく。一色編集長ら編集スタッフは日々国内外で起きるニュースを見ながら、旬のテーマを筆者らに提示する役回りだ。7月から月額735円(税込み)で配信を始めた。

 ネット上のブログには専門家らの無料の「私論」があふれている。そこに有料のコンテンツが入り込む余地はあるのか。一色編集長は「ネット情報は玉石混交。朝日新聞の情報、人脈を活用し、無秩序に見える情報の海の中でプロが整理した的確なニュース解説を打ち出す。そのニーズは必ずあるはずだ」と話す。

 新聞とは異なったコンテンツをあらたにつくり、Web上で有料で読んでもらうには課金システムが必要だ。朝日新聞は3月に「Astand(エースタンド)」を稼働させた。ウェブロンザのほか、新聞の連載記事などを再構成した「WEB新書」をそのシステムを利用して課金コンテンツとして提供している。

 朝日新聞が4月に開設した医療・健康サイト「apital(アピタル)」も秋には連載を再構成し、WEB新書にする。「医療分野で求められる正確で信頼性のある情報が提供できれば、ネット上で新しい可能性は生まれる」と平子義紀・アピタル編集長(50)。

 お金を出しても読みたいコンテンツをつくれるのか。ネット時代が新聞に突きつけている課題である。(編集委員・安井孝之)

PR情報
検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介