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〈メディア激変83〉TV局の選択―2 第2日テレは無料に転換

2010年7月30日17時43分

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 タレント間寛平さん(61)が2年余かけマラソンとヨットで地球一周するアースマラソン。ツイッターを頼りに旅をしながらチームが競う「人はツブヤキだけで生きていけるか?」。ともに日本テレビの土屋敏男エグゼクティブディレクター(53)がインターネット動画サイト・第2日本テレビ向けに考え出した企画だ。

 第2日テレは国内初の放送局主導のネット動画配信事業として05年10月に発足した。放送の広告収入と通信での有料課金の二本立てが狙いだった。しかし、タダが当たり前の民放と違い、会員登録のうえ有料のコンテンツを購入してもらう方式は採算が取れなかった。会員は目標の100万人に達せず60万人どまりだったため、08年10月、無料視聴へと大きく転換した。

 「進め!電波少年」の制作で知られる土屋さんは第2日テレの立ち上げを任された。だが、動画の再生までに何度もクリックが必要だったり、時間がかかったりすると、イライラした利用者はすぐ離れた。「15秒以上は待ってくれなかった」。人気のお笑いタレントの手間ひまかけたオリジナルコントでも制作費をまかなえず、動画への人通りはつくれなかった。3年目の黒字という目標は遠く、無料に切り替えた。

 制作費が数億円というアースマラソンは協賛スポンサー15社を集めた。ただ、通常は地上波のような制作費はかけられない。「人はツブヤキ……」では、土屋さんと電波少年に出演した有吉弘行さん(36)が3人ずつのチームに分かれ、2カ月かけ課せられた任務を果たしながら日本縦断の旅をした。スポンサーの自動車会社の乗用車が移動手段として画面にずっと登場、燃費の良さがわかる仕掛けとなっていた。

 第2日テレでは有料配信が一部始まり、無料と混在する形となっている。土屋さんは「テレビとネットでは、集客力も表現手法もCM料金の計算方式も違う。ネット配信では新しいコンテンツが無料、過去の名作アーカイブは有料と両立させるしかない」。

 一方、他の民放キー4局では、過去の番組のネット配信サービスを有料で実施している。

 ネットだけでなく地上波テレビと連動させるクロスメディア広告の成果もあり、月単位では黒字となることが増えてきた。一方で、大手企業は商品を紹介する自社サイトを充実させ、訪問するネット利用者も目立っている。

 日本テレビのある幹部は「ネットによって既存メディアの専有性は崩れた。集客力がないと食べていけない以上、魅力あるコンテンツを作っていくしかない」と口調を強めた。(編集委員・川本裕司)

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