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〈メディア激変84〉TV局の選択―3 若者に接近はかるNHK

2010年7月30日17時43分

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 この春、NHKの朝の連続テレビ小説の放送時間が48年ぶりに繰り上がった。代わりに午前8時15分から始まった情報番組「あさイチ」には「スタジオがうるさい」「目がチカチカする」といった意見は寄せられるが、民放の情報番組から視聴者を奪っている。NHKの調べでは、前番組「生活ほっとモーニング」より40〜50代の女性の視聴者が5割ふえた。

 思い切った番組改編を決断したのは、接触者率を上げるためだった。NHKは09年度からの3カ年経営計画で、接触者率80%という数値目標を初めて打ち出した。いわば公約だ。

 この接触者率はNHKの番組や情報を1週間で5分以上見た人の割合を指す。昨年11月のNHK調査では76.8%。60代が90%、70歳以上は94%を誇るが、20代の61%、30代の62%と世代差が大きい。

 複数回答を含む内訳をみると、テレビ・ラジオ番組を通して接触したのが75.1%、録画再生やネットなど放送外でしかNHKに接触していないのは1.7%。しかし、この層が前年の0.7%から急増している。

 大河ドラマ「龍馬伝」を毎回同じ人が見ているのか。関東地区の600世帯で調べた。7回までの結果では、前回からの継続視聴が50〜60%前後。5回までは新規視聴者がある程度加わる一方、欠かさず見続ける人は20%弱に減る。ただ、初期の脱落者の多くは復帰した。

 この分析をもとに、NHKはネット映像配信のGyaOに3月から新番組のドラマ「八日目の蝉(せみ)」について前回のダイジェスト映像(5分間)を無料で毎週流した。前回の内容がわかれば新規の視聴者が増える可能性があるとの判断から、初回を除き予告編ではない要約版による宣伝にした。一回でも見た人は「接触者」となる計算から映像は5分に。効果の検証は難しいが、「八日目の蝉」の視聴率は最終回が最も高くなり、6回の平均で7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。

 この試みを担当した編成局の鈴木祐司チーフディレクター(52)は「20、30代が多いGyaOの利用者のうち30〜40%はNHKにふだん接触していない層の可能性がある」と指摘する。

 テレビとネットの相乗効果に対するNHKの着目は早かった。違法映像が絶えないと批判が強かった動画投稿サイト「ユーチューブ」に対する広報用動画の提供契約を08年5月に結んだ。40代、30代からのアクセスが多いNHK番組・ニュースのホームページ「NHKオンライン」の予算も増え、4〜6月の利用回数は昨年に比べ30%伸びた。(編集委員・川本裕司)

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