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〈メディア激変85〉ネット企業の戦略―1 影響力を強めるヤフー

2010年7月30日17時43分

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写真ディー・エヌ・エーの南場智子社長(右)とともに、交流機能をもつゲーム事業の業務提携を発表するヤフーの井上雅博社長=4月27日、東京都港区

 テレビ東京の子ども向け人気番組「ピラメキーノ」の公式サイトは当初から、テレビ東京のホームページではなく、子どものポータルサイトで最大級の「Yahoo!きっず」に置かれていた。名を捨て実を取った決断に、他の民放幹部は「そこまでやるのか」。だが、成果はあった。番組は反響を呼び、発売されたCDもヒットした。番組開始から1年たった4月、視聴者に定着したとして、公式サイトはテレビ東京のホームページにようやく移された。

 NHKが新番組ドラマの宣伝媒体として活用した映像配信サイトのGyaO。4月、GyaOを運営する会社の株主に、民放キー5局が顔をそろえた。昨年9月、日本テレビとフジテレビが7%ずつ出資。7カ月後、テレビ朝日とTBSホールディングスがそれぞれ7%、テレビ東京も4%の出資に応じた。

 GyaOは有線放送大手のUSENが05年から始めた。しかし、赤字が続き、ヤフーが昨年4月に子会社化した。「Yahoo!動画」と昨年9月に統合させ、新たなGyaOに再編。大きな支出となっていた映像の自主製作を取りやめ、テレビ局との接近を図った。

 一方、キー5局が出資したのは、放送した番組を無料、有料の組み合わせでGyaOへ提供し、若者へのPRと収入増をめざすことにある。同時に、関係者は「ネットで最も影響力をもつヤフーに対する、GyaOへの出資を通じた牽制(けんせい)の意味がある。活字媒体を通さない番組宣伝の試みでもある」と指摘する。

 GyaO社長を兼任する川辺健太郎ヤフーメディア企画部長(35)は「ネットビジネスでは検索連動型や成功報酬型の広告、有料コンテンツなど色んな収益構造の積み重ねができる。民放のオンデマンド番組販売に力を入れている。広告8割、有料映像2割のGyaOの収入比率を半々としたい」。年間売り上げは約20億円強と見られるが、今年度は黒字をめざす。

 親会社のヤフーはネット世界の巨人だ。検索サイト、ニュースサイトともに、国内最大の利用者を誇る。09年度売上高は前年度比5.3%増の2798億円、当期純利益も11.8%増の835億円。ともに過去最高だった。4月末の決算発表で、井上雅博社長(53)は「GyaOはサービスを充実させていく態勢が整った」。

 ヤフーは携帯サイト「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エーと4月に、DVDレンタルのTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブとは7月に、それぞれ業務提携を発表した。影響力はネットの内外に強まる。(編集委員・川本裕司)

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