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〈メディア激変104〉電子書籍元年―9 電子関連で広がるビジネス

2010年9月3日17時15分

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 「電子雑誌でも電子書籍でも、お金を出してもらえる商品力がないとブームが沈静化した時に淘汰(とうた)される」。凸版印刷デジタルコンテンツソリューションセンターの中村卓史企画部長(48)は言う。

 同社は7月、電子出版時代の出版業界に向けた総合戦略「出版イノベーション2010」を策定。実行部隊として同センターを設立した。電子ならではの表現方法を考え、印刷物とも並行して制作するために企画、技術両部門から約50人が集まった。

 端末からコンテンツの調達、販売までを手がけるアップルやアマゾンのような垂直統合型が広がれば、著者が出版社を通さずに契約する方法が広がる可能性がある。出版文化を守るために出版社を支援していく――。そうした考えのもと、コンテンツ制作から配信、課金、決済までを手がけていく。

 編集部とタイアップした電子雑誌の広告も研究している。記事と関連する商品サイトに飛ぶことなどを想定。電子書籍でも広告を研究するほか、検索機能を付けたり、地図に連動させたりというアイデアが出ている。

 中村部長は「出版社のコンテンツマネジメントをきちんとして、商品を有効活用したい。制作段階からかかわれば新たな広告モデルを構築できる」と話す。子会社ビットウェイはケータイコミック配信や電子取次で実績があり、ノウハウを共有している。紀伊国屋書店が計画する電子書籍販売サイトにも協力していく。

 電子チラシの分野でも凸版印刷のビジネスは広がっている。折り込みチラシを電子化した同社の「Shufoo!(シュフー)」は業界トップシェア。2001年、パソコン向けに始まり、iPadやiPhoneにも対応するようになった。現在、大手スーパーなど約2万5千店舗のチラシを無料で見ることができ、月間アクセス数は約6千万件で右肩上がりだ。

 シュフーを発案したメディア事業開発本部の山岸祥晃本部長(50)は「閲覧回数や見た個所を分析し、広告効果を検証できる。リビングでくつろいで利用できるiPadはシュフーに最適」と話す。電子雑誌での活用も見すえる。

 凸版印刷は電子書籍端末キンドルとも関係が深い。90年代、米マサチューセッツ工科大の研究機関メディアラボのコンソーシアムに参加。電子ペーパーを研究し、後にイーインク社を創設する教授と知り合った。同社と共同開発し、量産する電子ペーパーは今、読書に適した表示技術としてキンドルの画面に使われている。(坂田達郎)

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