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〈メディア激変124〉韓国から―2 スマートフォン2強譲らず

2010年10月8日17時48分

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写真発売日に一番乗りでiPhone4を手にした大学生は報道陣に囲まれた=9月10日、ソウル市内、隈元写す

 9月10日、ソウル中心部にある通信会社KTのビルに、早朝から行列ができていた。

 米アップルのスマートフォン「iPhone4」の発売日だったのだ。日本でも見たような光景。昨年末、旧機種が発売されたのをきっかけにブームになったのもよく似ている。

 しかし、韓国ではライバルも強かった。

 ケータイ最大手のSKテレコムは今年、スマートフォンを14機種発売。基本ソフト(OS)に米グーグルのアンドロイドを使うサムスン電子製の「ギャラクシーS」は6月24日に出て、あっというまにiPhoneに追いついた。ともに100万台を突破、200万台を狙う。

 KTの姜国鉉(カン・クッヒョン)常務(47)は「韓国のスマートフォン市場は年内に500万台後半から600万台になる」と見込む。わずか1年で10倍にふくらみ、国民の8人に1人が持つ計算だ。

 それだけiPhoneの衝撃が大きかったわけだが、KT内部には葛藤(かっとう)もあったようだ。実は、別の機種をサムスンと共同開発していた。そこへアップル製を投入すれば、サムスンを敵に回しかねない。その恐れは現実になった。

 「それでもiPhoneは市場を変えると思ったから」と姜さん。「消費者には潜在的欲求があった。それに応える端末が、昨年まではなかったということでしょう」とも言う。

 「サムスンやLGが強くて世界一のノキアも苦戦し、通信会社がコンテンツ流通を独占してきた閉鎖的な韓国市場が、やっと開国された」。そんな言い方をする業界関係者もいる。

 SKテレコムを訪ねると、広報室の金聖チョル(キム・ソンチョル、チョルはさんずいに徹のつくりの部分)チーム長(44)が「iPhoneは、こっちに先に声をかけてきた。今も協議中だが、アップルはアフターサービスに問題がある」と言う。

 「うちは15年間も顧客満足度1位。ハングル入力のしやすさ、リアルタイムの道案内など、韓国人が最も使いやすいものを提供します」

 ギャラクシーSは近く、日本でもNTTドコモから売り出される予定になっている。

 ところで、韓国ではiPadはまだ出ていない。その前に今秋、KTが中小メーカーと組んだ「アイデンティティータブ」を出せば、SKテレコムもサムスン製の「ギャラクシータブ」で後を追う。両方ともアンドロイドOSを使うタブレット型端末で、画面は7インチ。スマートフォンとiPadの間を埋めるような存在だ。

 ライバルの激突は、また新たな段階に入る。(編集委員・隈元信一)

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