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〈メディア激変125〉韓国から―3 信頼は放送、役立つポータル

2010年10月8日17時54分

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写真中央日報マルチメディア研究所の金宅煥所長=ソウル市内、隈元写す

写真メディア未来研究所の金国鎮所長=ソウル市内、隈元写す

 ツイッターなどのソーシャル(交流)メディアが広がり、携帯電話も一気にスマートフォンヘ。変化が激しい韓国で、メディアの構図はどうなっているのだろう。

 ソウル市内にある社団法人・メディア未来研究所の金国鎮(キム・クッチン)所長(48)を訪ねた。

 政府系の情報通信政策研究院に18年勤め、6年前に研究所をつくった。3年前、優れたメディアを表彰する「メディア・アワード」を始めた。メディアの数は増えたが、競争激化で刺激的になったり、速さ優先で重要ニュースが報じられなかったり、問題が多いと思ったからだ。

 点数をつけるのは、韓国言論学会の会員で、メディア専門の大学教授ら数百人。項目ごとに5点満点で採点し、6位までを公開する。

 たとえば「信頼性」。昨年の1位は、KBS(韓国放送公社)だった。2位以下は、ニュース専門局YTN、京郷新聞、ハンギョレ新聞、MBC(文化放送)、韓国日報と続く。3大紙の朝鮮日報、中央日報、東亜日報は、6位以内に入ったことはない。

 「有用性」では、昨年の1位はネイバー、2位はダウムと、ポータルサイトが並んだ。3位から6位はすべて放送局。新聞はランク外だ。

 金さんは言う。「ニュースの伝達力や討論の場の魅力などで、ポータルの評価が高い。そのヘッドラインには新聞のニュースも出ていて、今やほとんどの人がネットで新聞を読む。どこの新聞かは重要じゃないんです」

 新聞の側は、メディア状況をどう見ているのか。中央日報マルチメディア研究所の金宅煥(キム・テクァン)所長(52)に聞いた。メディア専門記者で、5年前に日本でも出版された「韓国が警告するメディア・ビッグバン」(白夜書房)の著者だ。

 「韓国メディアで一番の勝者は、ネイバーに代表されるポータルとKT、SKテレコム。前者は、この7年で売り上げを12倍に伸ばした。ニュースを安く提供した新聞社の失敗です」

 広告主協会の昨秋の調査によれば、新聞の購読率は全世帯の31.5%。2001年には、51.3%だった。広告収入も落ち続けている。

 中央日報も、様々な手を打ってきた。有料の日曜版、特集満載の新聞内マガジン……。昨年は新聞本体の判型を小さくして読みやすさをねらったが、部数は増えなかった。

 「いくら投資しても収益は伸びない。ネットでも稼げない。放送に出るしかありません」

 そう語る金宅煥さんは、中央日報の放送本部のチーム長でもある。新たなテレビ局への参入を目指して準備中だ。新聞社による、その激しい争奪戦を次回。(編集委員・隈元信一)

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