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〈メディア激変128〉韓国から―6 ポータルもモバイル勝負へ

2010年10月8日18時7分

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写真「デジタルビュー」の説明をする李秉ソンさん=ソウル市のダウム、隈元写す

 韓国第2のポータルサイト「ダウム」の社内で、懐かしい人に会った。

 李秉ソン(イ・ビョンソン、ソンは王へんに睿)さん(45)。02年、小泉首相の訪朝を世界に先駆けてスクープした文化日報東京特派員だ。国際部長を最後に同紙を辞め、インターネット新聞「オーマイニュース」の副局長として日本版を立ち上げた。08年、ダウムに転じてコミュニケーション本部長になった。

 その、メディアに通暁した人が「iPhoneが韓国に来て、世の中が変わった」と言う。「従来のケータイは通信会社が閉鎖的な仕組みを作り、ダウムもネイバーも入れなかった。それが崩れ、アプリ(ソフト)でもうかるし、人々が自由に楽しめるようになりました」

 なるほど、そうか。私が韓国で使っていたSKテレコムの携帯電話で目立つのは、SKグループのポータル「NATE(ネイト)」のボタン。押すと検索などができるが、サービスは限られる。しかもようやくデータ定額制が始まった。道理で韓国の人がスマートフォンに飛びつくわけだ。

 iPhoneを出しているKTによると、使われる機能の1位は検索、次が地図だという。ネイバーやダウムの得意分野ではないか。

 李さんが、地下鉄の駅に最近置くようにした「デジタルビュー」を見せてくれた。路線図で駅にタッチすると、駅周辺を空撮した地図の画面になる。例えば病院にタッチすると、その写真が現れる。こうした地図検索は当然、モバイル機器でも使える。音声入力やQRコードで読み取る検索もいち早く始めた。「これからはモバイルとコミュニティー」と李さん。

 「コミュニティー」は、ダウムの得意技だ。1995年の創立後、まず無料メールサービスで人気を集めた。続いてネット上の同好会「カフェ」、討論の広場「アゴラ」。

 しかし、強みはあだにもなる。ダウムにはいま、3大紙などの記事がない。08年、米国産牛肉の輸入再開問題で、政府を支持する新聞と、それをダウムのアゴラなどで批判する書き込みが対立。新聞が記事提供を中断した状態が続いているのだ。李さんの古巣の文化日報も入っている。「困ってますが、どうしようもない」

 そもそも李さんが新聞社を去ったのは、ソウル大教授の論文捏造(ねつぞう)事件がきっかけだ。MBCテレビが疑惑を報道し、それが事実とわかったのに、教授を持ち上げた新聞で謝罪や検証記事を載せたのは中央日報くらいだった。そう振り返る李さんは、今後の時代をこう読む。

 「モバイル閉鎖時代も終わり、良いコンテンツが評価される。新聞だとかネットだとか関係なくなるでしょう」(編集委員・隈元信一)

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