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〈メディア激変136〉韓国から―14 ネットでラジオは当たり前

2010年10月22日17時57分

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写真FMラジオ生放送中の金昌烈さん(左)。このままネットで映像も流れる=ソウルのSBS、隈元写す

 韓国のラジオはどうなっているのだろう。

 ソウルで一番聴かれているという民放SBSのFMスタジオを訪ねると、「金昌烈(キム・チャンニョル)のオールド・スクール」の生放送中だった。

 DJの金昌烈さん(36)は、3人組で人気を集めた歌手として知られる。この番組を始めて3年半。最近はKBSテレビの人気番組「天下無敵野球団」で三塁手としても活躍している。

 ラジオ番組なのに、ちっともじっとしていない。おおげさに笑ったり、腕を上げたり。その姿をテレビ画面でモニターしているスタッフがいる。そのわきのパソコン画面にも、同じ映像が。音声だけでなく、スタジオ風景をそのまま動画でネットに流しているのだった。

 「見えるラジオ」と呼ぶのだそうだ。日本でも全く同じ言葉があるが、FMラジオの液晶画面にニュースなどを流す文字多重放送のこと。お隣の国なのに、ずいぶん違う。

 違うといえば、番組のネット同時配信も、日本では「ラジコ」が3月から試験サービスに入ったばかりだが、韓国は早かった。SBSネット部門のサービス運営チーム次長、方芝賢(パン・ジヒョン)さん(37)によると、SBSは06年6月に視聴ソフト「ゴリラ」のサービスを始め、KBS、MBCもほぼ同時に参入。ラジオのネット配信だけならもっと前からやっていたという。

 「今やラジオを聴く1位はネット。2位がカーラジオ、3位が携帯音楽プレーヤー。昔ながらの受信機で聴く人はほとんどいない」と方さん。「ラジオは何かしながら聴けるのが強み。パソコン、スマートフォンと、新しいものが出てくるたびに光が当たることが増えました」

 「見えるラジオ」の人気も高い。お笑いコンビ「カルトゥ」がDJの番組は、スタジオに来た聴取者とのやりとりなどがあまりに面白いので、CATVにも流すようになった。

 ただし、どう見えているかを気にしすぎて、ラジオ番組として不自然になることもあるらしい。「見えない聴取者への配慮を忘れないように」というのが番組スタッフの自戒だ。

 番組を終えたDJの金さんは、こう語る。

 「ラジオの魅力はコミュニケーション。その手段が手紙、電話、ファクスと進化し、ネットで見えるラジオになり、ツイッターでリアルタイムの反応が来る。聴取者の気持ちがわかるから、それに合わせて音楽や言葉を選ぶ。ラジオはなくならず、進化するもんじゃないかな」

 金さんのツイッターをフォローしているのは5万2千人。「番組のことを書き込むと、聴いてくれる人が増えるのがうれしいですね」(編集委員・隈元信一)

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