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〈メディア激変139〉韓国から―17 つながり広がる「仲間」たち

2010年10月29日18時22分

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写真李太新さん。「パソコンはあなたの友だち」という本を1992年に出してベストセラーになったことも=ソウル市のSKコミュニケーションズ、隈元写す

 「TGIF」。そんな言葉を韓国で聞いた。ツイッター、グーグル、iPhone、フェースブックの頭文字を並べたものだ。あとに「ショック」とか「時代」などの言葉が続く。

 米国発の「黒船」にどう対抗するか。独特の進化を遂げた分野ほど悩みは深い。その一つがネット交流サービス(SNS)だろう。

 米国のフェースブックや日本のミクシィがサービスを始めた04年、韓国にはすでに登録会員1000万人を超えるSNSがあった。サイワールド。仲良しの「仲」を意味する韓国語「サイ」にサイバーを掛けた名だ。現会員は2500万人。なんと国民の2人に1人である。

 だが、安心できない。そう痛感する人物が、サイワールドを運営するSKコミュニケーションズの李太新(イ・テシン)常務(43)だ。サイワールド創業と同じ1999年に別のSNSを始め、業界トップに。が、李さんの退社後、有料化で失敗。ポータル「ダウム」の日本法人副社長などを務めた李さんは、かつてのライバル社に転じた。

 「人間関係をつなぐのがネット。SNSは絶対必要だと思いました。モバイル時代に入り、SNSをニュース検索や(短い文章をやりとりする)メッセンジャーと統合することでコミュニケーションを豊かにできます」

 昨秋、親会社SKテレコムのポータル「ネイト」とサイトを統合。会員3200万人のメッセンジャー「ネイトオン」とも統合し、あらゆるサービスを携帯端末に送る態勢を整えた。

 そもそも人気のもとは、会員が無料で持てるホームページ「ミニホムピィ」だった。実名や住民登録番号を明かし、日記や写真を公開、共有する。新しい友と出会い、旧友との再会も。

 今や大きなメディアだ。フィギュアの金妍児(キム・ヨナ)が、自分のミニホムピィで真情を吐露したり、作曲家と女優が交際を報告したり。歌手のBoAが新曲を流すような音楽サイトでもある。

 「実名制だからプライバシーに注意し、常に監視している。その上でどうオープン化して輪を広げるか。ここ1、2年の勝負でしょう」

 05年末に日本に進出し、09年夏に撤退した。「日本人は自分の写真を載せて共有するとか好きじゃない。プライバシー尊重もすごい。文化の差が大きかった」というのが広報室の説明。「それでも世界で一番文化が近い。モバイル文化もよく似てきた」と李さんは見る。

 最近、日本のミクシィと提携した。「似たサービスを別々に作るより、交換した方がいい。世界では珍しくフェースブックが1位じゃない韓日に中国も入れて、東アジアの文化をつくりたいですね」(編集委員・隈元信一)

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