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〈メディア激変157〉米メディアの模索―17 米ヤフー、検索を取材に活用

2010年11月26日17時6分

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写真米サニーベールのヤフー本社で語るデビッド・コーさん=藤写す

 ヤフーと言えば、日本では検索シェア1位のポータルサイトだ。ニュースは契約する報道機関の記事を集めるだけ。自ら取材はせず、配信された記事の中身や誤字などの点検もしない。

 本家・米ヤフーもかつては日本同様、ニュースはアグリゲーター(集積者)に徹してきた。しかし2005年、戦場フリー記者ケビン・サイツさん(48)を初の自前の記者として迎え入れ、ロバート・キヨサキさんら経済専門家9人による金融・投資関連のコラムも始めた。

 さらに今年、独自記事の路線をさらに強化した。武器は、ヤフーの資産とも言える、膨大に蓄積された検索データだ。

 7月に始めたニュースブログ「アップショット」。「議論の結論や要点」を意味するタイトルの下、エディターや記者計9人が政治や教育、メディアや文化について書く。読者は、記事の下にコメントを書ける。

 特徴は、ヤフーで打ち込まれた検索語を分析し、取材の手がかりにする点だ。「検索は人々が何を求めているかの指針になる」と、サービス開始時に米ヤフーの担当上席副社長として携わったデビッド・コーさん(39)。すべての取材が検索データに基づくわけではないが、読者の潜在的な要望に耳を傾ける手段としている。

 エディターは米政治サイト、トーキング・ポインツ・メモの元発行人代理、アンドリュー・ゴリスさん。記者は、米ニューズウィーク誌の元ホワイトハウス担当記者や米政治サイト、ポリティコの元記者らだ。ニューヨークやワシントンを取材拠点にし、共有の編集局はなく、メールや電話、テレビ会議などでやり取りする。

 米ヤフーのニュースサイトは、報道機関などからの記事がなお9割近くを占めるが、この比率は今後、下げるという。良質なコンテンツには広告がつくが、必要な記事は他社からだけでは得られない。それを補うための独自記事だ。

 メディアのリストラを背景に、よい記者を雇うのは困難ではなくなった。「多くの読者に向けて書きたい記者にとって、多くの人が触れるヤフー以上によい場所はない」とコーさん。

 だが人件費を考えると、記者を大量には雇えない。ひとつの解決策が、5月に買収したアソシエーテッド・コンテント(AC、デンバー)だ。ACはフリーライターや一般の人が記事を投稿し、閲覧数などに応じて対価を受けるサイトで、筆者は約40万人。記事は米国中心だが、今後は世界に広げるという。(藤えりか)

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