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〈メディア激変182〉電子書籍元年、その後―1 動き出す市場

2011年1月7日17時51分

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写真ギャラクシーS発売イベントに顔を見せたNTTドコモの山田隆持社長(左端)、女優の堀北真希さんら=昨年10月、東京・有楽町、坂田写す

 NTTドコモが秋冬商戦の主力と位置づけたスマートフォンの新製品「GALAXY(ギャラクシー)S」。2010年10月28日の発売に合わせ、同社が始めたのは「電子書籍のトライアルサービス」だった。

 出版社の小説、雑誌、コミックなど約60のコンテンツを、ドコモのスマートフォンや、その後発売されたタブレット型端末にも順次提供。小さい画面の端末では1ページを分割して表示し、大きい画面では1ページをそのまま載せた。年末までの2カ月間、無料で読んでもらい、画面の読みやすさや作品を読み通したかなどをアンケートした。

 「電子書籍は(タブレット型や専用端末だけでなく)スマートフォンにも拡大することで一気に広がっていく。お客様の好みや利用方法をしっかり把握したい」。発売初日、東京・有楽町の家電量販店でドコモの山田隆持社長(62)はトライアルサービスの狙いをそう語った。

 ドコモは今月から、電子書籍の本格的なサービスを始め、同社のスマートフォンなどに販売していく。魅力的な書籍をどれだけ提供できるか。鍵を握るのが先月21日に設立された配信会社「トゥ・ディファクト」だ。

 昨夏、ドコモは電子出版ビジネスで大日本印刷(DNP)と提携し、秋にも共同事業会社を設立すると発表した。この提携が形になったのがトゥ・ディファクトだ。DNPが秋から約3万点のコンテンツで始めた電子書店サービスをベースに、検索して本を送ってもらったり、電子書籍として読んだりできる、紙と電子のいずれの書籍も扱う販売サイトを作る。

 DNPの書店は当初、約10万点の電子出版コンテンツでスタートする予定だった。関係者によると、著作権者の許諾を得る作業などに時間がかかったという。トゥ・ディファクトが始める書店では今春までに確保する予定だ。

 ドコモユビキタスサービス部の船本道子・電子書籍企画担当部長は「トライアルサービスの結果を見ると、長い文芸作品もよく読まれている」と話す。「10万点をそろえても冊数で言えば小さい書店くらい。だからこそ、紙と電子を組み合わせ、読みたい書籍を好みに合った形で選ぶことができるサイトにすることが重要」

 当初、「紙か電子か」の議論が目立った2010年の「電子書籍元年」。様々な端末が登場する中、相乗効果をめざす取り組みも広がる。動きを追った。(坂田達郎)

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