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〈メディア激変186〉電子書籍元年、その後―5 才能発掘に活用

2011年1月14日16時58分

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写真パブーの画面では、初めての人が本を作りやすいよう詳しいマニュアルが載っている

 月刊の電子雑誌に新人らの作品を連載し、その後、掲載された全作品について、紙の本の出版やアニメ化を進める――そんな試みが今月から始まる。

 昨夏、第一線の書き手たちが自ら刊行した電子書籍「AiR エア」の執筆メンバーと、小説やマンガを発行する講談社BOX編集部が手を組み、若手の作品を中心に載せる電子雑誌「BOX―AiR」を今月創刊する。昨秋、作品を公募。近く、新人賞が決まり、若手作家らの作品とともに電子雑誌に掲載する。

 昨夏のエア創刊を中心になって進めたノンフィクション作家の堀田純司さん(41)は「雑誌の売り上げが年々減り、新人が作品を発表できる機会が減った。いきなり単行本でデビューすることは難しく、電子で何ができるかを考えた」と話す。

 電子書籍は、著名人の作品など話題性がなければ埋もれてしまうという危機感もある。「人に読まれることほど、新人が力量を伸ばせる方法はない。電子と紙の組み合わせで新たな才能を発掘したい」

 創刊号は「零号」として350円で出す。今春からは毎月刊行。作品も募集し、1〜2話分、80ページほどの分量があれば応募できるようにする。BOX―AiRには、アニメ関連の楽曲などを制作するキングレコードのアニメレーベル「スターチャイルド」も参加。作品のアニメ化などを中心となって進める。

 BOX―AiRはアイパッドやアイフォーンなどのほか、サイト上で電子書籍を作成し、出版できるサービス「パブー」でも販売する。

 パブーは、読書情報などの共有サイト「ブクログ」の運営会社「paperboy&co.」が昨年6月に始めた。多機能端末やスマートフォンのほか、パソコンにダウンロードして読むこともできる。現在、約8千点を公開。作品は無料で公開してもよく、有料の場合は著者が10〜3千円の範囲で価格を決められる。売れた場合は7割が印税として著者に入る。

 昨秋には作家発掘プロジェクトとして絵本コンテストを実施。355点の中から大賞が決まった。同社ブクログ事業部リーダーの馬居優子さん(29)は「創作意欲を持つ人は予想以上に多いと感じる。ファンになった著者の新作が出たら知らせたり、イラストや編集など複数の人が一つの作品を制作できたりする新たな仕組みも考えたい」と話す。(坂田達郎)

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