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〈メディア激変190〉電子書籍元年、その後―9 国のバックアップ

2011年1月21日17時51分

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写真フォーマットの問題を担当する総務省。文部科学、経済産業と3省で電子書籍の普及に取り組む=東京・霞が関、坂田写す

 電子書籍の普及策を検討するため、総務、文部科学、経済産業の3省が設置した懇談会が昨年6月、報告をまとめた。現在、指摘された課題を解決する取り組みが始まっている。

 名称は「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」。3省懇談会と呼ばれる。国会図書館、作家、出版社、書店、印刷会社、通信事業者、メーカー……。電子出版の主要プレーヤーがそろった。

 「アメリカでは一つのフォーマット(イーパブ)をサポートすればほとんどのコンテンツが手に入る。日本では複数あり、(対応するための)開発陣と投資がかかる」。昨秋のソニー電子事業発表会で、米国ソニー・エレクトロニクスの野口不二夫シニア・バイス・プレジデントは、出版社などが文書や画像データを送る際の規格「フォーマット」について不満を示した。

 総務省は昨年、「新ICT利活用サービス創出支援事業」として電子出版の環境整備に向けたプロジェクトを公募。応募29件の中から10件を選び、計約8億円で業界団体や大学に事業を委託した。昨秋からそれぞれ検討が始まり、今年3月末までに成果を取りまとめる。

 その一つが、電子書籍をどの端末でも読めるようにするための交換(中間)フォーマット策定。大手出版社などが昨春設立した「日本電子書籍出版社協会」加盟社のコンテンツなどを交換フォーマットに変換。その後、それぞれの端末で使用できるフォーマットに変換する実証実験をしている。

 グーグルやアップルが採用し、海外で主流の規格「イーパブ」を日本語表現に合った仕様にすることも総務省の事業の一つ。イーパブを開発する米国の団体に協力しており、同省によると、今春には縦書きやルビなどの日本語特有の表現に対応できる見通しだという。

 3省にはそれぞれ役割がある。出版物の権利処理の円滑化やデジタル社会の図書館のあり方については文科省の外局である文化庁、外字・異体字を正確に表現できる環境整備などは経産省の担当となっている。

 総務省の新ICT利活用サービス創出支援事業は、昨秋の事業仕分け第3弾の後半戦(再仕分け)で「予算計上見送り」となった。同省情報流通振興課の松田昇剛統括補佐は「今年度は事業が続けられるので、最終報告をきちんとまとめたい。11年度も、今の取り組みが無駄にならないようにしたい」と話す。(坂田達郎)

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