現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. メディア激変
  5. 記事

〈メディア激変204〉模索する企業―3 社員みんなでツイッター

2011年2月4日18時2分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真ソフトバンクの「SBCare(エスビーケア)」のコメント画面(画像の一部を修整しています)

 「出来ました。エジプトとのSMS送受信が2/28まで無料」。ソフトバンクの孫正義社長(53)が1日夜、ツイッターでつぶやいた。デモが続くエジプトとのショートメッセージサービス(SMS)が「無料にならないか」という要望が、ツイッターであったことへの対応だ。

 ソフトバンクのホームページにある「やりましょうリスト」には、こんなふうにツイッターで寄せられた要望などのうち、孫社長が「やる」と決めた内容が並ぶ。いわば、会社の「公約集」だ。昨年7月の開設以来、3日時点で88件の意見が採用され、83件を実現している。

 ソフトバンクでは、社員約1万5千人(本体と通信3社)の96%がツイッターを使う。その火付け役で、最大の発信源が孫社長だ。つぶやきを追いかける「フォロワー」は77万人。人数だけで言えば、小さな「国」のイメージだ。

 2009年のクリスマスイブ、孫社長が実名でのツイッター発信を始めた。翌日、孫社長が全社員あてのメールで「長期ビジョンの議論をツイッターでもしたい」と書いたのをきっかけに、「ツイッターをやろう」という認識が社内に広がったという。

 ツイッターを使ったもう一つの主な取り組みが「SBCare(エスビーケア)」。電話相談窓口のツイッター版だ。従来と違うのは、担当者自らが利用者の「声」を拾いに行くこと。10人の担当者が営業時間中、「ソフトバンク」「電波」「悪い」など約240個のキーワードをツイッターで検索し、利用者に語りかける。「電波つながらないよ」というつぶやきがあれば、「突然すいません、ソフトバンクですが……」とその人につぶやく、といった具合だ。

 匿名が多いツイッターでは、当然「炎上」リスクはある。誹謗(ひぼう)中傷を書かれたり、同社を攻撃するためのアカウントが作られたりもしたという。ソフトバンクモバイルの営業戦略統括部長の柳原文顕さん(36)は「あからさまな罵詈(ばり)雑言を浴びせられることもあるが、直接お客様の声が聞ける。商品開発や企画など、顧客に接しない社員の意識が劇的に変わった」と話す。

 社員個人については、昨年12月にソーシャルメディア利用のガイドラインを作った。「会社を代表した意見でないことを明記する」「機密保持をする」「誹謗中傷しない」などのルールを提示。企業名や実名の公表は、個人の判断に任せている。「炎上」したら、上司に相談することも推奨している。

 社員のツイッター発信で、会社のブランドイメージ低下につながる事例は、いまのところないという。(五十嵐大介)

PR情報
検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介