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〈メディア激変206〉模索する企業―5 不祥事もネットで拡散

2011年2月11日18時16分

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写真米グルーポンのメイソンCEOは「おせち問題」についてユーチューブ上で謝罪した

 多くの企業が、インターネットを情報発信のツールとして活用しようと必死に考える。一方、誰もが情報発信できる今、ネットは自社に厳しい批判が集中する舞台にもなる。

 「山頂の私物化に憤りを覚えました」。昨年8月26日、朝日新聞に、ある男性の投稿が掲載された。北アルプス・槍ケ岳に登った際、テレビCMの撮影のため、山頂に着く直前に30分ほど待たされたという内容だった。

 その後、掲示板「2ちゃんねる」などネット上で、CMは日清食品の即席めん「ラ王」のものだったことが取り上げられる。報道各社の問い合わせが増えたこともあり、日清は9月8日、「CM撮影に関するお詫(わ)び」というニュースリリースをホームページ上に掲載。CMは放送自粛に追い込まれた。

 日清はこの件で、記者会見を開かなかった。中川晋社長(64)は10月の決算会見の席上、「広告会社に(CM制作を)任せきっていたことに欠点があった」と説明した。CMは電通に委託していたが、チェックが行き届いていなかったという。

 不祥事への対応の仕方も、変わっている。

 「グルーポン全社員とともに私も大変申し訳なく思い、この場を借りてお詫びしたく存じます」。共同購入型クーポンサイト大手、グルーポン最高経営責任者(CEO)のアンドリュー・メイソン氏(30)が神妙な表情で、カメラに向かって語りかける。画面下には日本語訳。同社が動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿した「おせち問題」の謝罪ビデオだ。映像は2分59秒。シカゴの米国本社で撮影された。

 グルーポン・ジャパンを通じ、50%割引で販売された「おせち」が、年末までに購入者に届かなかった。同社や製造した横浜市の飲食店には「広告より量が少ない」「料理がいたんでいる」などの苦情が、3日間でのべ200件あった。重箱いっぱいに料理が盛られたサンプル写真と、顧客に届いたとされる料理がほとんど入っていない写真が「スカスカおせち」として掲載され、ネット上で一気に広がった。

 ビデオの内容について、企業の危機管理などを指南するコンサルティング会社、エイレックスの江良俊郎社長(48)は「何が問題で、誰にどう申し訳なかったのか、また、問題が起きた理由や改善点などが、短い時間でまとめられている」という。一方で「本来は、日本法人の代表が記者会見して、社会の代弁者としての記者の質問に答えるべきだ。ネットで一方的に説明する手法は、企業の間でさらに広がるかもしれない」と懸念する。(五十嵐大介)

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