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〈メディア激変211〉模索する企業―10 ソーシャルメディアは救世主か

2011年2月18日17時31分

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写真アジャイルメディア・ネットワークの徳力基彦代表取締役=東京都渋谷区の本社

 フェイスブックやツイッター……。人のつながりで広がる「ソーシャルメディア」と呼ばれるネットサービスは、どんな特性を持つのか。

 ソーシャルメディアのコンサルティングを手がけるアジャイルメディア・ネットワーク(東京都渋谷区)の徳力基彦代表取締役(38)は「利用者にとってソーシャルメディアの魅力は、返事を強要しない『プル型』のコミュニケーションだということ」と話す。

 徳力さんはかつてNTTに勤めていたが、電話が嫌いだという。「相手に返事を強要する、究極の『プッシュ型』コミュニケーション」だからだ。電話はどんな場所、時間だろうと、一方的にかかってきて、電話を取ることを要求する。メールも多くの場合、返事を要求される。一方、ブログやツイッターは「『ちょっと書いたから見てよ』という緩やかな関係でつながっているため、利用者は楽にコミュニケーションでき、人間関係も長続きする」。

 ならば、それを活用しようとする企業にとって、「救世主」になるのか。長い間主力媒体として使われてきたテレビや新聞などのマスメディアと異なる点について、徳力さんは「使う側に百八十度違った心構えが求められる」という。「テレビCMは、広告主である企業が好きなようにメッセージをコントロールできる。でも、ソーシャルメディアは利用者同士の『会話』なので、コントロールできない。その点を忘れている企業が多い」と指摘する。

 多くのネットサービスが生まれる米国では、企業によるソーシャルメディアの活用例が多い。米パソコン大手のデルは、評判が悪かった顧客対応を改革するため、ツイッターなどを活用して顧客の意見を聞き、販売増につなげた。「日本では、ソーシャルメディアは『炎上するから危ない』『怖いから使わない』と距離を置く。米国では、ソーシャルメディアを使わないと『炎上の火だねがわからないので危ない』という。その価値観の違いだ」

 しかし、ソーシャルメディアが、企業にとっての「万能薬」になるとは考えていない。大事なのは、企業が提供する商品やサービスが、顧客にとって本当に満足できるものかどうかだからだ。

 徳力さんは「企業が一方的に情報を発信するマスメディアの時代から、江戸時代のように人々の『口コミ』が飛び交う時代に戻っただけ。日本企業はもともと、お客様の声を聞くことが得意なはずで、ソーシャルメディアとうまくつきあうことで、より良い商品を提供することができると思う」と話す。(五十嵐大介)

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