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〈メディア激変232〉この先へ―1 すべての人が参加する

2011年3月18日18時8分

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写真拡大「一人ひとりの声がみんなに聞こえることが大切」と話す村井純さん=東京都港区

 11日金曜日午後2時46分ごろ、マグニチュード9.0の東日本大震災が発生した。

 直後、東北、関東地方などで有線電話、携帯電話の音声通話はほとんどつながらなくなった。そんな中でも、直接被災しなかった地域では、携帯を含めたインターネットのデータ通信を使うことはできた。家族の安否確認情報が、電子メールなどで行き交った。

 「インターネットがあったおかげ」。「日本のインターネットの父」慶応大学環境情報学部長の村井純教授(55)のもとには、そんな多数のメールが寄せられた。

 「インターネットはみんなのために」

 インターネットの規格集「RFC」に、こんな題名の文書が残る。02年4月、筆者名は「インターネットの父」ビントン・サーフ・グーグル副社長(67)。文書はこう続く。「だが、サービスを使いたいすべての人の手に届くものでなければ、それは実現しない」

 「すべての人が参加する、という考え方は理念としては最初からあった」と村井さんは話す。「ただ当時はあくまで目標だった。だが今やインターネットは社会インフラとなり、実際にあらゆる人がさわれるようになった」

 それがもたらしたのは人々の「声」だと村井さんは言う。「今、僕が会議などで言うのは『一人ひとりの声がみんなに聞こえる』ということ。双方向にそれぞれの声が伝わり、共有される。それがインターネットの本質なんです」

 そして、みんなの声が社会の様々な変化に結びついた。「その実例が中国の『08憲章』であり、中東の変革であり、ウィキリークス」

 「08憲章」は08年12月にインターネットで発表された、中国の共産党一党支配に対する批判文書。呼びかけの中心で、獄中にある劉暁波(リウ・シアオポー)さんは10年のノーベル平和賞を受賞した。「『08憲章』が中国の人権問題なら、中東ではそれが現実の政治体制変革に結びついた。ウィキリークスはジャーナリズムの分野での変化」

 インターネットが災害対応、人権、民主主義、ジャーナリズムなど様々な場面で広がり始めた。「みんなが声を上げて共有することで、解決すべき課題が見えてくる。そういうことに、インターネットはすごく貢献できる」

 ただ、中東などの状況を「インターネット革命」とくくるのはおかしい、とも指摘する。「民主主義や人権がどうあるべきかということは、社会として取り組まなければいけない本質的な問題。インターネットはそれらを考えるきっかけであり、後押ししていくものなんです」(編集委員・平 和博)

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