東京、大阪のアーレフ(オウム真理教から改称)道場と広島県教職員組合(広島市)が「建国義勇軍」などを名乗るグループに銃撃された事件で、銃刀法違反などの容疑で逮捕された刀剣愛好家団体「刀剣友の会」の6人のうち複数の容疑者が調べに対し、友の会会長の村上一郎容疑者(54)の名を挙げて「会長から『一緒に行こう』と誘われて現場に行った」と供述していることがわかった。警視庁などの合同捜査本部は、村上容疑者が主導的な役割を果たしていたとみている。
調べでは、会社員で友の会理事の服部達哉容疑者(40)=兵庫県姫路市=は6月27日夜、広島市内にある広島県教職員組合事務所に銃弾2発が撃ち込まれた事件について、村上容疑者から誘われ一緒に行ったことを認めているという。
当時、友の会主催の刀剣類展示即売会「大刀剣祭り」を岡山市内で開催中で、服部容疑者と村上容疑者は、服部容疑者が運転する車で岡山市内から広島市の現場に向かったとみられる。
また古物商手伝いで同会青年隊長の中村隆治容疑者(32)=横浜市=は「東京の現場に自分で車を運転して行った」と供述。5月29日に東京都杉並区のアーレフ道場に銃弾1発が撃ち込まれた事件への関与を認め始めたという。翌30日と31日に千葉県木更津市で「大刀剣祭り」があった。
大阪市西成区のアーレフ大阪道場が6月13日に銃撃された当時も、大阪市内で「大刀剣祭り」が開かれていた。3件の事件発生日が祭り開催時期と重なることから、捜査本部は、村上容疑者らが最初に銃撃の対象を決め、対象に近い場所で祭りを開いたとみている。
19日朝の逮捕後に「わかった」などとあいまいな供述をしていた村上容疑者は、その後の調べに「身に覚えはない」と容疑を否認しているという。
一方、19日の家宅捜索で「日本レジン」社員で同会理事の速水春彦容疑者(46)=岐阜県柳津町=の車内から見つかった自動式拳銃は、45口径とわかった。この銃について速水容疑者は「村上容疑者から預かった」と供述しており、捜査本部が入手先を調べている。
(12/20 00:54)
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