「建国義勇軍」などを名乗るグループによる銃撃事件で逮捕された刀剣愛好家団体「刀剣友の会」の複数の会員が、警視庁や大阪府警などの合同捜査本部の調べに対し、会長の村上一郎容疑者(54)=銃刀法違反と建造物損壊容疑で逮捕=について「東京と大阪のアーレフ(オウム真理教から改称)道場には村上会長自らが発砲した。(銃撃する)標的の選定なども会長の指示を受けた」と供述していることがわかった。
調べによると、東京都杉並区にあるアーレフ東京道場は5月29日、大阪市西成区のアーレフ大阪道場は6月13日にそれぞれ銃撃された。これについて複数の幹部は「村上会長に誘われて、それぞれの現場に3、4人で行った。撃ったのは会長だった」と供述。さらに広島市の広島県教職員組合が6月27日夜に銃撃された事件についても「会長と一緒に行った」と話している。
また幹部らは「銃撃する場所をどこにするかや、現場に行く人選と見張りなどの役割分担も村上会長から指示された」という趣旨の供述もしている。捜査本部は村上容疑者が一連の事件で中心的な役割を果たしたとみて、動機の解明を進める。
一方、捜査本部は村上容疑者が00年4月にグアム島で射撃訓練をしたとの情報を得ている。村上容疑者自身も友の会会報の00年6月号で「1日3000発猛射した」といい、掲載写真の説明に「国賊思い知ったか」「私は兎(と)に角357マグナムが一番好き!」などとある。「ゴルゴ13のような凄(すさ)まじい私の腕前に、(射撃場の)管理人も、皇国日本の大東亜、八紘(はっこう)一宇(いちう)の威徳の有り難さに目を潤ませた」などと書いている。
これまでの家宅捜索で友の会会員宅などから見つかった45口径の自動式拳銃やライフル用の銃弾20発について、会員は捜査本部に「村上会長から預かった」と説明している。捜査本部は、村上容疑者が刀剣だけではなく銃にも強い関心があったとみており、入手経路を調べている。
(12/21 06:25)
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