民主党の西村真悟衆院議員(55)は29日、大阪府堺市の市民会館で記者会見し、内定していた衆議院災害対策特別委員長への就任を「辞退したい」と語った。建国義勇軍などを名乗る銃撃事件で、自らが最高顧問を務める「刀剣友の会」の村上一郎会長(54)らが銃刀法違反容疑などで逮捕されたことから、「信頼関係にあった人物が犯罪行為に加担したことへの道義的責任」を辞退の理由にしている。
西村議員によると、8日から28日まで脳内出血で大阪府内の病院に入院していたが、症状がよくなり退院した。一連の事件への友の会の関与は全く知らなかったといい、「なぜあんな幼稚なことをしたのだろうと思う」「村上氏と私が共鳴した思想は、銃弾をぶつけようなどという行動に結びつく思想ではなかった」などと語った。そのうえで「疑惑を回避し、注意深く遠ざけるのも公人の務め。内定を辞退するのがある意味でのけじめのつけ方」と話した。
一方で、村上会長が役員を務める会社などから受けた218万円の政治献金については、「私の政治活動、政治信条に対する献金。返す考えはない」と説明。最高顧問についても「会の活動と犯罪は別物だ。ただ、メンバーがやったということなので、捜査の進展を見て考えたい」と話し、すぐに辞任する考えはないとした。
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民主党の鉢呂吉雄総務局長は28日、退院した西村氏と面会し、事情を聴いた。岡田克也幹事長が同日発表した談話によると、西村氏は「刀剣友の会」の会長と「政治家と支持者としての一定の関係があった」ことを認めたが、「建国義勇軍事件」とのかかわりについては完全に否定したという。
(12/29 21:28)
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