asahi.com
天気  辞書  地図  サイト案内  アクセスTop30 
サイト内検索:
ニュース特集 社 会 スポーツ 経 済 政 治 国 際 サイエンス 文化・芸能 ENGLISH 
ニュース特集一覧   
     
 home > ニュース特集  
【H2A打ち上げ失敗】
 
H2A打ち上げ失敗、機体爆破 補助ロケット分離できず

「H2A」6号機の大型固体補助ロケット(SRB)切り離しの映像
【上】「H2A」6号機の大型固体補助ロケット(SRB)切り離しの映像。下左のSRB(火を噴いている)の結合部が切り離されず、ロケット本体にぶら下がっている【下】先に切り離されるはずのSRB(左下)が残り、小型固体補助ロケットが先に離れていった=いずれもH2A搭載カメラから、宇宙航空研究開発機構提供

打ち上げの失敗について、模型を使って説明する三戸宰・宇宙機構理事=29日午後3時55分、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターで
打ち上げの失敗について、模型を使って説明する三戸宰・宇宙機構理事=29日午後3時55分、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターで

情報収集衛星を積み、打ち上げられた「H2A」6号機
情報収集衛星を積み、打ち上げられた「H2A」6号機=29日午後1時33分、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターで

 情報収集衛星(偵察衛星)2機を載せた国産ロケット「H2A」6号機は29日午後1時33分、鹿児島県・種子島から打ち上げられたが、第1段ロケットに取り付けられた大型固体補助ロケット(SRB)2本のうち1本を分離できなかったため、ロケット全体が約11分後に地上からの指令で爆破された。安全保障などを目的とした衛星の本格運用が遠のいた上、日本の宇宙技術への信頼を大きく揺るがす失敗となった。

 国産主力ロケットの打ち上げ失敗は、99年11月の「H2」8号機以来3回目で、後継のH2Aでは初めて。

 H2Aは宇宙航空研究開発機構種子島宇宙センターから打ち上げられた。三戸宰(つかさ)理事によると、第1段ロケットを分離し、第2段エンジンに点火したが、予定の速度に達せず「衛星を軌道投入できる見込みがなくなった」と判断。地上被害を防ぐため、高度422キロの太平洋上にあった時点で衛星ごと爆破する指令を出した。

 ロケット本体のカメラからの画像を調べたところ、1つのSRBで第1段とつなぐ計6本の支持棒のうち、上部の2本が切断されず、SRBが第1段の分離まで一緒に飛行を続けていたことが分かった。このため、約10トンあるSRBの重さと空気抵抗で十分な推力が得られず、飛行コースがずれたとみられる。

 SRBは信号で固定部を火薬で破壊する仕組みで、一部がうまく破壊されなかったらしい。

 宇宙機構は事故対策本部(本部長・山之内秀一郎理事長)を設置。文部科学省も対策本部(本部長・稲葉大和副大臣)を設けた。

 偵察衛星は光学衛星とレーダー衛星の2機1組で、今年3月に初めて打ち上げられた2機といずれも同型。製造費は公表されていないが、ロケットの打ち上げ費用約100億円と合わせ、損失額は少なくとも数百億円にのぼる。来年4月ごろに4機体制で本格運用が始まると、地球上のあらゆる地点が1日1回撮影可能になり、朝鮮半島の核施設など安全保障にかかわる情報収集や、大規模災害時の被害把握などに役立つとされていた。

 当面は2機の運用にとどまり、能力が半分の現状が続く。国見昌宏・内閣衛星情報センター所長は05年と06年に予定される交代機の打ち上げ前倒しについて「原因究明を受け、可能かどうか検討したい」と述べた。

 打ち上げには失敗時の調査費用になる約2億円の保険がかけられていたが、衛星は無保険だった。

 今回の失敗により、衛星打ち上げの産業化は大きく遠のき、今年度中に予定されていた7号機による気象衛星「ひまわり」後継機の打ち上げにも影響する恐れがある。

   ◇

 <H2Aロケット> 国産主力ロケットの前身「H2」が98、99年に連続失敗したのを教訓にエンジンなどを改良し、01年8月に初打ち上げ。コスト削減にも努め、打ち上げ費用は国際水準に近い94億〜106億円に。直径4メートルの2段式で液体燃料を使う。

 積む衛星の重さなどにより、固体補助ロケットの組み合わせを変える。今回は、3月の情報収集衛星打ち上げの時と同様、補助ロケットを大型2本、小型4本使い、現段階での最大打ち上げ能力(静止衛星なら当初軌道に5トン級を打ち上げ可能)。重さは衛星を積まない状態で約350トン。全体の高さは57メートル。

(11/29 21:51)


 関連情報  


 これまでの記事一覧







| 社会 | スポーツ | 経済 | 政治 | 国際 | サイエンス | 文化・芸能 | ENGLISH |
GoToHome ニュースの詳細は朝日新聞へどうぞ。購読の申し込みはインターネットでもできます。 GoUpToThisPage
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
| 著作権 | リンク | プライバシー | 広告掲載と注意点 | アサヒ・コムから | 朝日新聞社から | 問い合わせ |
Copyright Asahi Shimbun. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission