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衆院統一補選は25日の投開票に向け、最終コーナーに入った。3選挙区の勝敗は後半国会の行方に直結する。最大の焦点の年金改革関連法案の対応ひとつをとっても、「補選で負けた方が対応を考え直すことになる」(民主党幹部)。さらに、無党派層や保守層を取り合う性格の強い今回の補選の結果は、小泉首相の政権運営や各党の参院選戦略にも陰に陽に影響を与えかねない。与野党の目算は――。
人質事件解決をテコにイラクへの自衛隊派遣の正しさを訴える与党。政府の年金改革関連法案の「廃案」を求める野党。ただ、3選挙区の陣営は地元経済の活性化や出直し選挙に焦点を絞っており、中央の課題が本当に選挙の争点になるかは不透明。それでも、「与党3勝」となれば、政府・与党側が強気に出てくるのは間違いない。
与野党対決が続く年金法案をめぐっては「民主党の対案と審議拒否の戦術が否定されたことになる」(自民党関係者)との判断が浮上。今国会成立を目指し、与党単独でも衆院を通過させる動きが補選直後から本格化する可能性が高い。
無党派層がカギを握る埼玉8区も制するなら、候補者を公募した安倍執行部の得点にもなる。
一方、民主党は、菅代表ら執行部の指導力が問題視されるのは確実。年金法案で審議拒否を主導した菅氏の国会対応が裏目に出た形になる。
○野党勝ち越しで、成立阻止へ攻勢
景気も内閣支持率も堅調で、人質事件も解決。与党には負け越しを不安視する声は皆無に近い。まさかの敗北の場合、どんな反応になるか。
自民党内に「ポスト小泉」が見当たらない状況では、参院選を前に首相交代は考えにくい。それでも、3選挙区に候補者を立て、イラクと年金問題を前面に押し出す共産党を含む野党が、自衛隊撤退や年金法案の成立阻止で勢いづくのは必至。野党の主張に押されれば、参院選を前に節を曲げたとの世論の反発も怖い。進むか退くか、首相には厳しい局面になる。
○与党2勝1敗は 埼玉8区、勝敗のカギ
数字だけ見れば、与党が「想定内の結果」(幹部)と勝ち越しを強調、民主党も「もともと3議席とも自民党。一つでも取れれば、勝ち」(幹部)と主張する可能性が高い。
ただ、どこを取りこぼすかで、単純な「痛み分け」にはならない。
保守層を奪い合う広島5区は自民、民主双方の参院選戦略に影響しそうだ。
自民党が負ければ、業界選挙の弱体化に歯止めがかかっていないことになる。民主党が負ければ、農業政策重視など保守層の開拓が功を奏していないことになる。
埼玉8区はやはり年金問題だ。
与党が敗北すれば、「都市部のサラリーマン層に法案が受け入れられなかった」(公明党関係者)と慎重論が強まりかねない。逆に、民主党が敗北すれば、反転攻勢の時期を逸する可能性がある。
◆「中間選挙」位置づけ定着 政権是非・民意の方向示す
衆参両院の補欠選挙を4月と10月の年2回まとめて行う統一補選が始まって3年半。政権への信認の度合いなど、時々の民意の風向きを探る「日本版中間選挙」として定着し始めている。
最初の統一補選は森政権下の00年10月。衆院東京21区の1選挙区だけだったが、無所属の川田悦子氏が自民、民主両党の公認候補を下した。長野県の田中康夫知事ら「無党派」知事の相次ぐ誕生とともに有権者の既成政党離れを印象づけた。
過去6回、衆参17選挙区の補選の理由で、現職議員の死去に次いで多いのが、不祥事にからむ議員辞職などの6例だ。
02年10月の補選は、井上裕前参院議長、加藤紘一元自民党幹事長、田中真紀子前外相、辻元清美元社民党政審会長ら有力議員の相次ぐ議員辞職を受け、「政治とカネ」が争点となった。ただ、民主党への追い風とはならず、7選挙区で1勝しかできなかった鳩山由紀夫代表が辞任に追い込まれる大きなきっかけとなった。
◇衆参統一補選 自民対民主の攻防
【00年10月】=自民・民主ともに敗北
■衆院東京21区 ×自 ×民 ○無
※山本譲司議員(民)が秘書給与詐取事件で辞職
【01年10月】=自民2勝
■衆院宮城4区 ○自 ×民
※伊藤宗一郎前衆院議長(自)が死去
■衆院滋賀2区 ○自 ×民
※小西哲議員(自)が死去
【02年4月】= 自民1勝1敗
■衆院和歌山2区 ○自 ×〈民〉
※岸本光造議員(自)が死去
■参院新潟選挙区 ×自 ○〈民〉
※真島一男議員(自)が死去
【02年10月】=自民5勝2敗
■衆院山形4区 ×〈自〉 ○民
※加藤紘一議員(自)が元秘書の口利き疑惑で辞職
■衆院神奈川8区 ×自 ×民 ○無
※中田宏議員(無会)が横浜市長選立候補のため失職
■衆院新潟5区 ○〈自〉 ×〈民〉
※田中真紀子議員(自)が秘書給与流用疑惑で辞職
■衆院大阪10区 ○自 ×民
※辻元清美議員(社)が秘書給与流用疑惑で辞職
■衆院福岡6区 ○自 ×民
※古賀正浩議員(自)が死去
■参院千葉選挙区 ○自 ×〈民〉
※井上裕前参院議長(自)が秘書の口利き疑惑で辞職
■参院鳥取選挙区 ○〈自〉 ×〈民〉
※坂野重信議員(自)が死去
【03年4月】=自民3勝1敗
■衆院茨城7区 ○自 ×〈民〉
※中村喜四郎元建設相(無)がゼネコン汚職有罪確定で失職
■衆院東京6区 ×自 ○民
※石井紘基議員(民)が殺害される
■衆院山梨3区 ○〈自〉
※横内正明議員(自)が山梨県知事選立候補のため辞職
■参院茨城選挙区 ○自
※久野恒一議員(自)が死去
【03年10月】=自民1勝
■参院埼玉選挙区 ○自 ×民
※浜田卓二郎議員(無)が埼玉県知事選立候補のため失職
《注》〈 〉囲みは推薦か事実上の支援候補。それ以外は公認候補。※は補選になった理由
(04/20)
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