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参院選の前哨戦となる衆院統一補選が25日の投開票に向け終盤戦を迎えている。選挙結果は年金改革などを巡る後半国会の与野党攻防にも影響しそうだ。埼玉8区、広島5区、鹿児島5区の3選挙区で、各党が繰り広げている戦いに何が起きているのか。
20日夕、東京・池袋から西武池袋線の急行で約30分の小手指駅(埼玉県所沢市)の北口。自転車に乗って、衆院埼玉8区の自民党候補、柴山昌彦氏が現れた。ポスターにはキャッチフレーズが三つ。「公募候補」「38歳弁護士」「自民党を変える」――。
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埼玉都民と呼ばれる無党派層をどう引き付けるか。自民党の新井正則前衆院議員が買収事件で辞職した後を受けての出直し選挙だ。候補者選びを先導した安倍晋三幹事長が選んだのは、公募と若さ、つまり「自民党らしくない」候補。安倍氏自身、昨秋の総選挙前に当選3回、49歳で幹事長に抜擢(ばってき)された。「自民党をぶっ壊す」が命綱の小泉自民党のイメージ戦略は変わらない。
だから、柴山氏は北口で訴えた。「(買収事件で)皆様のお怒りはごもっともです。新しい自民党の柴山です」
今月3日。所沢駅前で金子恭之党青年局長=衆院熊本5区選出=ら若手議員が次々マイクを握る「リレートーク」を演じた。民主党陣営が同じ駅前で2回行った「マラソン演説」への対抗だ。金子氏は「こういう選挙もあるのか。足早な通勤者に聞かせるには、演説は短い言葉を繰り返すのか」と感心した。陣営にはこんな声も漏れる。「うちだって、民主党型選挙をやれば勝てるんだ」
しかし、イメージ戦略を超えて、民主党に打ち勝つ手応えがなお持てないというのも事実だ。20日午前の自民党役員連絡会。西川京子女性局長は「埼玉8区で女性局はビラ配りをしているが、中高年のサラリーマンが大変厳しい反応だ」。景気も内閣支持率も堅調で、イラクの日本人人質事件も解決した。だが、年金はじめ小泉政権全般に無党派層がどんな評価を下すのか……。
安倍氏は結局、当選3回以下の自民党衆院議員に「ご存じの企業・団体等をご訪問くださるよう」依頼する文書を7日付で流した。自公選挙協力、業界選挙。「古い自民党」を、最後は頼むしかない。
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20日夕。同じ小手指駅の南口に、民主党の木下厚氏はいた。「政治はそんなに簡単に変わるものではない。自民党は変わらない」
ここで無党派層に離反されるようでは、参院選での躍進は望むべくもない。が、昨秋の総選挙で木下氏は新井前議員に敗れ比例区で復活当選。38歳の柴山氏に対し、59歳という年齢もアピール材料にはならない。
当初、木下陣営は「政治とカネ」に争点を絞ろうとしたが、国会で与野党が対決姿勢を強めた年金問題を前面に出すことに。各種世論調査で、無党派層には政府の年金改革への不満が強い、というデータをみたためだ。
21日朝、所沢駅前。民主党の菅代表は声を張り上げた。「政府案を通してしまうのか、民主党が提案している一元化の法案を通すのか、まさにこれが補選で左右される」。補選の結果は、直後の国会対決にも影響する。
民主党にとっての不安は投票率だ。昨年10月の参院埼玉補選。30%を切る低投票率もあって惜敗した記憶が消えない。党選対幹部は言う。
「投票率が20%台半ばに近づくと、公明党・創価学会の組織票が効いてくる。菅氏ら幹部が駅頭演説を続けるのは、埼玉都民に投票所に足を運んでもらうためだ」
一方、参院選の埼玉選挙区での議席維持が至上命題の共産党。イラク問題で自衛隊の即時撤退を主張し、年金問題では政府案も民主党案もばっさり。「大企業・財界言いなりの保守二大政党」と批判し、昨秋の総選挙で薄らいだ存在感の回復に懸命だ。
【埼玉8区補選の候補者】
木下 厚 59 民前 党県常任幹事
柴山昌彦 38 自新 弁護士 〈公〉
柳下礼子 57 共新 元県議
※届け出順。〈〉の政党は推薦
【埼玉8区 接戦の軌跡】
〈96年10月〉
当 並木 正芳 進 50712
新井 正則 自 47784
当麻よし子 民 30047
〈00年6月〉
当 木下 厚 民 52816
新井 正則 自 50990
並木 正芳 改 48276
〈03年11月〉
当 新井 正則 自 70959
〈当〉 木下 厚 民 69418
並木 正芳 無 22509
※上位3氏のみ。自は自民、民は民主、進は新進(当時)、改は改革クラブ(当時)、無は無所属。〈当〉は比例区で復活当選
(04/22)
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