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〈はぐ〉保活の時代――温かい、もう一つの家庭

2010年4月28日15時19分

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写真「保育ママ」として子どもを預かる鈴木道子さん(中央奥)と子どもたち=横浜市旭区、豊間根功智撮影

 毎朝、台所から漂うみそ汁の香りが5人の子を迎える。横浜市旭区の一軒家にある「すずき保育室」。「汁物があるとお弁当が食べやすいし、栄養も補えるから」と、いつも野菜をたっぷり入れて作る。

 鈴木道子さん(65)とスタッフ4人で営む。「保育園」ではなく、働く親の子を自宅などで朝から夕方まで預かる「保育ママ」だ。制度上、保育ママ1人で3人以内。補助者がいれば5人まで預かれる。

 保育ママは全国に1140人おり、昨年度の利用者は2588人。これまで全国77市区町村に制度があったが、今年度から国の制度に格上げされた。従来は保育士や看護師の資格が必要だったのを、研修を受ければ資格がなくてもなれるようにした。2014年度までに利用者を1万9千人に増やすことをめざす。

 国は保育園に入れない待機児童問題の改善も期待するが、すずき保育室では「保育園に入れなかったから来た」という親子は少数派。大半は「家庭的な雰囲気の中で安心して過ごせるから」と、初めからここを希望して訪れる。

 今いる5人は1〜2歳。2歳の男の子は母が台湾、父は新潟の出身で、実家が遠く、「ここが頼り」と近所に越してきた。1歳半の女の子は1300グラムの未熟児で生まれた。両親は「体が弱く、大人数の保育園だと心配だから」と、生まれてすぐここに申し込んだ。2人目の子を預けている母親は「ここがあるから、もう1人産みたい」と第3子を妊娠中。「保育園の代わり」ではなく、「第二の家庭」、「第二の実家」のような場所になっている。

 「子どもや親と深い信頼関係を結び、温かく見守れる家庭的保育が、もっと広がってほしい」と鈴木さんは話す。

 保育ママ歴約30年。これまでに約100人をみてきた。

 硬いものや、油っこいものなど、幼い子にはどうかな、と思うおかずがお弁当に入っていることもある。でも、口出しはしない。共働きの両親が一生懸命に作ったから。そして、どの子もそんなお弁当が大好きだから。(三島あずさ)

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